検索窓
今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:174,061 hit

ページ4

.






頑張れーと私の頭を撫でてくる
子供扱いされてる…悔しい!!




「…っ…」





苦い!!
やっぱり苦い!!
でも我慢してコーヒーを飲む私をニッコリとした笑顔で見つめてくる結弦がいる
なんでこんな苦いの飲めるの…





やっと半分飲みきったところで結弦が私の持っているマグカップを取る




「あ、まだ残ってる!!」

『僕もこっち飲みたい、というか僕が飲むために作ったんだけど(笑)』

「私もそっちがいい」

『今日はここまで、Aはこっち』




水色のマグカップが私がいつも使っているピンク色のマグカップに取り替えられる
悔しい、でも仕方ない

結弦が私のために淹れてくれたコーヒーを口に含むとミルクとお砂糖の甘さが口にふわりと広がっていく





「甘くて美味しい…」




これをほっと一息とでも言うのだろうか
なんて美味しいの…
やっぱりコーヒーはブラックよりミルクもお砂糖も入ってる方が私は好き





『ほろ苦いのはまた今度挑戦だね』

「もう二度と飲まない」

『さっきまでまだ飲む!! って駄々こねてたくせに(笑)』

「んー、でもやっぱり結弦が淹れてくれたらなんでも美味しい」





結弦が疲れてくれる時に淹れてくれる紅茶も
晩御飯に注いでくれる麦茶も
夜更かしに一緒に飲むお酒も
こうやって私のために淹れてくれるコーヒーも

なにもかも、結弦が作ってくれたら美味しいもの




『…これだから無意識は…』

「え?」




眉間にシワを寄せてううんと唸る結弦
私何か変な事言ったかな




『A、もう1回ブラックコーヒー挑戦してみよっか』

「えぇ…まあでも1回だけなら…」




もう私も大人だし、お茶会とかでブラックコーヒー飲めたら素敵だよね
もう1回、と結弦に言われてプライドが震えた
飲んでやろうじゃない!!





すると結弦は自分でブラックコーヒーを口に含むと

私の顎を少し上にあげて口付けられる


結弦の熱い舌が唇に触れて驚いて塞いでいた口を少し開くと待ってましたと言わんばかりに目を細める結弦





それ以上を求める気持ちを駆り立てられて

お互いがお互いを欲した




ブラックコーヒーのはずなのに

結弦の口から伝うそれは

ひどく甘い味がした

僕と俺→←ブラックコーヒー



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (152 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
707人がお気に入り
設定タグ:短編集 , 羽生結弦   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:星羽 | 作成日時:2018年3月7日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。