煌めきの中で [リクエスト] ページ19
.
「結弦スマホ持った?」
『持ったよ、A鍵持った?』
「あ゙、鍵」
『ほらー(笑)』
いつもなにか忘れるー、と笑われる
悔しい…
「いいよ、全部持った!!」
『よし、じゃあ行こっか』
「手繋いでいい?」
『言われなくても』
そっと手を繋げば結弦の手は暖かい
ずっと背の高い結弦の手は私の手よりずっと大きかった
冬も終わりかけだけど夕方はやはりまだ寒い
私達はこれからノブ君が教えてくれた夜景を見に行くの!
もう楽しみで仕方ない…
「にしてもなんであのノブ君こんなとこ知ってるのかな」
スマホで行き先を検索するとノブ君が知ってるとは思えないくらいの綺麗な写真がズラリ
『Aナチュラルに失礼だよ(笑)』
「ごめんなさい(笑)」
『ノブ君が奥さんとデート行ったところなんだって』
「わぁ、意外と旦那さんらしいことしてたんだ!!」
『だからナチュラルに失礼(笑)』
見慣れた街並みを歩いて駅に向かう
夕方は学校終わりの学生が特に多くてバレないかな、なんて話してたけど案外バレないものだった
電車に揺られて目的地を目指す
にしても東京って人多い…
「…仙台にも行きたいなぁ」
『急にどうしたの』
「東京人多くて息苦しいんだもん」
『あはは、たしかに。今度帰ろうか』
「うん!!」
結弦との新しい予定ができて少し嬉しい
あ、ここだ、降りなくちゃ
2人で足並みを揃えて駅中を歩く
次の乗り換えはこっちかな
ふと手に違和感を感じて目線をやると、さっきまでとは変わって私達は恋人繋ぎになる
『はぐれないように、ね?』
なんて首をかしげて言われれば世の女の子はイチコロだろう
世の女の子の代表として私がイチコロだ
乗り換えも上手くいってここからしばらく長い
電車の規則的な揺れが心地よくて眠気を誘われる
途中結弦は寝ていいよ、と言ってくれたのでお言葉に甘えることにした
結弦の肩に頭を預けて夢の世界へ旅立った
707人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:星羽 | 作成日時:2018年3月7日 16時