【短編集】氷上の王子と私【羽生結弦】 (ページ4)

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昨日はアイスショーを見終わってすぐに寝てしまった
ソファーに寝ていて少し寝違えたみたい…
スマホを見ると2件通知が入っている

『今日少し早く帰れそう、4時には着くよ』

これは結弦だ
やった！早く結弦に会える！
すぐに返事しよう

｢了解、寂しいから早くね｣

と返すと

『デレるなんて珍しいね？(笑)』

と返ってきたので既読無視してやった
ふん！せっかく素直になったのに

そしてもう1件

『お疲れ～！Aちゃんも滑ればよかったんに、残念や(＞＜)』

これはノブくんだ(笑)
間違いない

｢次機会があったら！｣

と端的に返す

気付けば結弦が帰ってくる時間が迫っていた

まだかな、まだかな、と気持ちが早る
確かに結弦はみんなの結弦だけど彼女は私だもんね
帰ってきたらとことん甘えてやる(笑)

ガチャっと鍵の開く音がした
結弦だ！！

私は待ちきれなくて玄関に走る
そこには愛しの恋人が
私は思わず抱きつく

｢結弦!!｣

『わっ、ただいま、どうしたのA(笑)』

｢おかえり！だって3日間も会えなかったんだよ？｣

『四大陸の時は1ヶ月だったじゃん(笑)』

なんて言い返されるけど3日も1ヶ月も寂しさは同じですぅ～

『寂しかったの？』

と結弦が私の頭の撫でる

｢うん、一緒に行って滑ればよかったってちょっと後悔した｣

『訛ってるだろうね、僕がスパルタレッスンしようか？』

｢遠慮しとく…｣

ああ、結弦だ
画面越しの結弦も好きだけど、ただ隣にいるだけでもこんなに違う

2人で久しぶりのご飯を過ごす
ふいに結弦が口を開いた

『自分の家に帰って灯りが付いてたら嬉しいよね』

｢急に何？｣

『帰って来て今まで自分を出迎えてくれる人なんていなかったからさ？』

頬杖を付いた結弦が私にゆっくりと言う
わぁ、この角度ファンが悲鳴をあげて喜ぶ角度…
あ、違う違う

『ただいまって、いいよね』

｢あはは、なにそれ(笑)｣

『好きな人におかえりって言ってもらえる幸せ感(笑)』

｢変な結弦(笑)｣

『ねえA』

｢ん？｣

『ただいま』

とびきりの甘い笑顔で結弦は言った
私は何度だってその嬉しい言葉に答えるよ

｢おかえり、結弦｣