【短編集】氷上の王子と私【羽生結弦】 (ページ24)

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Side. Yuzuru

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おはようございます、羽生結弦です
実は数十分前から起きてます(笑)
Aが僕のことを穴が開くんじゃないかってくらいに見つめながら百面相してるからなんとなく起きれない(笑)

面白いからもう少し様子を見てみよう

寝返りを打つふりをして少しAに近付く
すると僕の頭を撫でてくれた
寝てると思ってるんだな(笑)

｢…結弦は私がもし現役続けてて怪我したらどう思うんだろう｣

ん？
僕に話しかけてるのかな、もしかして起きてるの気づいてる？

｢結弦が怪我した時私1回心臓止まったよ絶対…｣

お構い無しに続けてる様子を見るとどうやら独り言みたいだ
少し耳を傾けてみる

｢結弦が元気でいてくれて、結弦自身と世界の応援してくれる人と、ちょっぴり私のために滑ってくれたら私は幸せ｣

正直驚いた
そんなふうに思ってたなんて知らなかったしそもそもそんなこと普段なら絶対言ってくれないら

｢…結弦がこれからもずっと健康で大好きなスケートが続けられるように私も頑張るからね｣

『A！！』

｢うわ！？結弦起きてたの！？｣

僕はたまらなく嬉しい気持ちになって寝た振りをしてたのも忘れて抱きしめる

『ありがとう…ありがとうA』

｢ゆ、結弦…苦しい、よ｣

『今はこのままでいさせて』

こんなに僕を思ってくれる人が僕の一番近くにいる
僕にはもったいないくらい幸せだ

『僕、スケートはずっとやってたい』

｢うん、私もずっと結弦のスケート見てたい｣

『ずっと隣にいるのもAがいい』

｢…私もだよ｣

トップアスリートの忙しさや辛さをAも知っている
だからこそ僕の全てを任せられるから

｢ふふ、結婚願望、あと2、3年じゃない？｣

『え？』

｢ほら、結弦が20歳のとき。ノブくんと昌磨と3人の雑談会みたいなので結弦言ってたじゃん(笑)｣

『あーあれか(笑)』

｢25、6までには結婚したいって、今も変わってない？｣

そういえばそんなことも言ったなあ
あと2年3年ってして結婚か