【短編集】氷上の王子と私【羽生結弦】 (ページ19)

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｢私が勝手に傷ついただけだもん…｣

本当のことだ、結弦は悪くない
それに覚悟もそれなりにあったし

｢そりゃ結弦の恋人だもん、言われないわけないよ｣

一瞬結弦の顔が悲しみに歪んだ
そしてまた私を抱きしめる

『…離れようとか、言わないよね』

結弦のか細い声に心が締め付けられる
心配をかけたけど、私のことを本当に好きでいくれているんだと実感する

｢言わないよ、絶対。ずっと結弦のこと好きだもん｣

少し鼻声ではあるけどちゃんと伝える
結弦は少し嬉しそうに笑うと僕もだよ、と答えてくれた

悲しみにくれて眠れない夜も
大好きな貴方が隣にいたら
毎日が幸せだよ

｢一緒に寝ていい？｣

『もちろん、というかそのつもり』

｢待ってるからお風呂済ませてきていいよ、遅くまでお疲れ様｣

『ありがとう、すぐ上がる』

もう怖くないよ
私は結弦が大好きで、結弦もきっと私を好きって思ってくれてる

周りの言葉に惑わされないほどの結弦への思い
これから少しずつだけど、貴方に伝えていくから

眠れない夜も、
貴方の温もりを感じていれば
いつだって夢の中へ