【短編集】氷上の王子と私【羽生結弦】 (ページ2)

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ただいまページ2

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ふと時計を見ると11時を回っている
結弦は今日は仙台で行われるアイスショーに一昨日から行っていて明日の夜まで1人だ
結弦は地元のスケートリンクで滑れる！なんて喜んでた(笑)

｢今頃アップ始めてるかなぁ｣

連絡きてないかな、なんてスマホを見るけど特に何も無かった
ちょっと寂しい(笑)

たしかテレビでの放送は夜の7時からだったかな
ちゃんと録画して、リアルタイムでも見て、結弦が帰ってきたら2人でもう一度録画を見よう

フィギュアスケートの番組はいつもそうしている

スケートは私と結弦を繋げてくれた大事なもの
私はもう引退しているけど今でもアイスショーのオファーは来る
今回も結弦と一緒に誘われていたけどなんとなくお断りした
次機会があったら滑ろうかな

お昼を済ませ、録画のセットが終わった頃
ピコンっとスマホの通知がなった

画面には“結弦”の文字

素早くロックを開けて内容を見る

『今休憩してるよ、Aはなにしてる？』

今日初めての会話に胸が踊る

｢お昼ご飯食べて、今さっき今日のアイスショーの録画セットしたよ～｣

返事をするとすぐ既読がつく
世界のトップスケーターは常に忙しいからイベント中の会話はなかなかに貴重だ

『お、ありがとう。今日もAのこと考えながら滑るね』

｢せめて見に来てくれる人のためにも滑ってよ(笑)｣

『Aの滑りも見たかったなぁ…』

スケート一筋だった結弦が私のために滑るなんて言うもんだから頬が緩む
内緒だけど

『そろそろ戻るね、楽しみにしてて！』

それきり返事は来なくなった
夜が楽しみだな