【シャドウサイド】続章〜1〜妖魔界と鬼族

32☆真魔洞潔 ページ32

「洞潔！」ハルヤが呼び掛ける。

「ふっ、こいつの元主か。自分の部下をぶったぎったクセによく仲間面できるな。」

「ぶ、ぶったぎったりしていない！本人の意志にそっただけだ！」

ハルヤが動揺を見せる。

「こいつは、お前に呆れたがら泣いていたぞ。『姫〜、姫〜！』と浮かれる様子を見てな。」

「黙れ。それはもう終わったことだ！あと頼むからそのことはいうな！」

「やれやれ、やたら口だけ達者で困った主だな・・・。姫の前では下僕同然のくせに。」

「しゅ、朱夏様のために、仕えていただけだ・・・。あと、だからそれは言うな・・・。」

「部下の命など二の次なんだろう？自分さえ良ければ。」

「ううっ、選手交代してくれ･･･｡」

顔を伏せ、ハルヤはナツメの後ろに回った。

「酒呑童子がやられた･･･!トウマ、選手交代してくれ！」

「分かった、アキノリ。憑依！幻魔義経！我に力を！」

「義経、参上。はっ！」

洞潔に向けて、義経が斬りつける。

「洞潔！目を覚ませ！」

洞潔は素早く避ける。

「洞潔だと？それはこいつの名だろう。名乗るとすれば我は真魔洞潔！」

二人の、刀と刀が合わさる。

「不快な手を使うなど。酒呑童子は余の主君であろう？」

刀をあわせたまま、義経は問いかけた。

「酒呑童子が？ふざけたことを。あいつは部下など持たずに姫の屋敷の草でも抜いていればいい。」

「まずい・・・！酒呑童子のメンタルはボロボロだし、ここは俺が！降臨！幻獣朱雀！」

アキノリが朱雀を呼び出した。

「朱雀、参上！」

「私も！召喚、私の友達、出てこいこまさん、こまじろう！」

ナツメも同じく、妖怪を呼び出した。

「では行くかの。」「もんゲーロ！」

アキノリが指示を出す。

「３人で前から同時に攻めればいける！」

義経と刀をあわせたままの真魔洞潔に３人が向かっていく。

それをみた洞潔。



次の瞬間、義経の刀がはじかれる。



「４人がかりだと。なんと卑怯な！まぁいい、黒焰烈風派波！」




前方に炎の剣、阿修羅豪炎丸をなぎはらう洞潔の必殺技！

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