【シャドウサイド】続章〜1〜妖魔界と鬼族

15☆ケースケとハルヤ ページ15

ラスト１人はケースケ。

ビビりな上に俺、酒呑ハルヤ＝怖い奴と思われているから作戦が必要だな。

そう考えたから、ケースケの自宅で待ち伏せすることにした。

午後３時。

ケースケはこの時間に遊びに行く。

ケースケの自転車近くに立つ。

「コージとサッカーしてくる！行ってきます！」

ガチャッ、「はぁ〜今日も空が青い・・・あ。」ガチャッ

家の中から電話をかける音が聞こえてくる。

「コージ・・・。俺、今日習い事があったの忘れてたわ・・・。ごめん、行けない。」

あ、これ完全に怖がられてるな。

立つ位置を変えてみる。

玄関を出たばかりでは見えないが、出て少ししたら後ろから声をかけられるよう、ドアの真横に張り付く。

よし・・・。前に視線を戻す。



ケースケの顔がある。

「っっっっ！」

ビビった！

「あの、どこのお子さんかな。」

ケースケそっくりの顔の大人が戸惑った表情で聞いてくる。

「お名前は？」

「えっとはい、酒呑です。」

「家に張り付いてなにしてるの？」

「くぁ・・・。」

「もしかして娘が言ってた尾行してくる同級生かな？」

なんかこの大人、威圧感がすごい。

妖気もぜんぜん感じないのに妖怪の扱いに慣れているような、不思議な人間だ。

「迷惑なんですけど。帰ってもらえる？」

「はい。」

引き下がるしかない。






とでも言うと思ったか。

妖気を感じないから鬼の姿になればケースケだけに近づける！

帰ると見せかけ、横道で鬼の姿になる。

再び待ち伏せだ！

「ケースケー！遊びに行かないなら牛肉とソース買ってきてちょうだい。」

恐らくケースケの母らしき声がする。

「えー、行きたくないよ！」

「あらそう、ならハンバーグ作れないわ。」

「姉ちゃんっ！一緒に行こう！」

「しょうがないなー。じゃあさっさと行くわよ。」

よし、もうすぐ出てくるはず。

「あーもう、姉ちゃんは遅いな、先にそとでとくよー。」


くる！「行ってきまーす」

ガチャッ。

「天野ケースケ！」

ケースケが棒立ちになっている。



「少し話がある・・・。あ。」

しまった、いくらケースケの父に見えないようにといっても
鬼の姿ではケースケにとっては怖さ30倍か・・・！


ガチャッ！バタン！


「姉ちゃああああああああああああああん！！」


天野ナツメが出てくる前に、俺は天野家玄関前から逃走した。

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