【シャドウサイド】続章〜1〜妖魔界と鬼族

39☆前まで ページ39

「やっぱりまだ誰も住んでないか。よかった〜！」

扉を開けてAはほっとしたように言った。

外から見た感じより若干広い。

玄関から居間が見え、キッチンなどもあった。

「一人暮らしだったんだ。この家ってAさんの？」ケースケが靴を脱ぎながら聞く。

「もともとあったこの建物はもう誰も、住んでなかったから。
結構誰かが前に住んでた感じはあったんだけどね。
いろいろ改装したり建て増ししたりしたりして今の感じにしてみたの。
正確には私のものじゃ.....ない、のかな？この場合。」

「マインクラフトみたいだな！テンションあがるぜ！」

「ふふ、アキノリくんもマインクラフトとかやるんだ。」

「はいアヤメさん！もしよかったら今度教えましょうか！」

ふと、トウマが不思議そうな表情で

「あの、ちょっといいかな？
ここって閉鎖的だし町へ出入りするときって有星神社を通らなきゃいけないはずなのに
アキノリもおばばさんもAさんに会ったことがないって不自然だと思うんだよね。」

「確かに！Aちゃんって食べ物とかはどうしてたの？」

ナツメの問いにAは

「自給自足してたけど、足りないのはアルバイトして買ってたよ。
普通に神社も通ってたけどアキノリにも確かに会わなかったな〜。何でだろう？」

「ていうかアルバイトって！Aさんそれ年齢詐欺だよ！？」

トウマが珍しく、激しく言う。

「あ、いやそんな怪しいバイトとかはしてないから大丈夫！
普通に野草とか摘んでただけだよ、ほら内職的な。」

「リアルあつまれ動物の森か？！そんな生活やってみたいぜ！」

そんなアキノリにAは

「いやいや、豪雨の日とか続いたら草取りにいけないし、
猛暑続いたら水でもないし、収入途絶えたらめちゃくちゃ大変なんだよ？」

やっぱり現実は甘くないようだ。

「そうそう、お茶入れるね！」

Aは台所へ走っていってしまった。

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