ハート・ハート・ハート ( 赤 ) (ページ50)

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50.you ページ50

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あ「行ってらっしゃい。すばる」

渋「、、」

あ「すばる、ありがとう」

渋「 …、、」

最後まであたしの目を見つめてたすばるは、ゆっくり、ほんまにゆっくりと部屋を出て行った。

パタリ、扉が閉まる音がしてあたしの我慢の糸もここで途切れた。

あ「う、、うぅっ、、泣」

ごめんなさい、ごめんなさい。
きっとこれからもあたしはすばるしか愛せへん。
すばるだけを愛して生きていく。

それがすばるを裏切ったあたしへのバツ、、

あたしが泣くなんてムシがよすぎる。
泣きたいのきっとすばるの方。

あ「すばる、、愛してる、、」

時間をかけて着替え、重い体を無理やり起こして引きずって、作り置きのおかずも何品か冷蔵庫に入れた。

スーツケースは意外と大きくて、ずっしりとした重みを感じた。

なぁ、すばる。愛してる。
世界で一番すばるが好きやで。
でも、さようなら。

すばるを愛してるからこそ、すばるの前から姿を消します。
すばるはいつもあたしを守ってくれたから、次はあたしがすばるを守る番。

あ「っ、、」

カチャリ、鍵の閉まる音が聞こえて、あたしはそれをポストにコトリ、落とした。

ごめんなさい。
さようなら。
愛してた。

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