ハート・ハート・ハート ( 赤 ) (ページ45)

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45.you ページ45

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渋「ただいま～」

あ「おかえり、疲れたやろ。」

渋「 …まあな。メシは？」

あ「あるで。」

二人がいつもあんまり使わへん部屋にスーツケースを隠して、荷物をまとめた。
ご飯を食べたらきちんと話す。

もう、別れようって伝える。

これ以上苦しいまま過ごすのは嫌や、、

渋「ん。うまい」

あ「 …よかった」

渋「 …明日は鍋でもするか」

あ「 … 」

渋「 …A？」

あ「 …え？あ、すばる。後で大事な話あるねん」

渋「 …あぁ、分かった」

" 明日 " 当たり前にあったあたしたちの明日は、もうない。

そう思うと、涙が溢れそうになる。
あたしはもうこの家には帰ってこれへん。

すばるの隣にいられへん。

…なんて、言ったらすばるが傷つかずにすむんやろう。

渋「 …で、話ってなんや？」

あ「 …うん、あんな」

どんな言葉で伝えたらいい？

繊細なすばるやから、言葉の端々でいろんなことを感じ取れると思う。

でもあたしはすばるにとって、嫌な女を演じなあかん。
嫌われな…離れられへん。

やから、ごめんな。すばる。

あ「 …もう別れてほしい」

できるだけなんの感情も持たず、すばるの目をしっかりと見つめた。

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