愛を知らぬ少女 (ページ10)

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初日終了下校時間･･･

「疲れた･･･！」

どへーという効果音が聞こえそうなぐらい疲弊している緑谷。

『･･･お疲れ。』

治癒に体力を持ってかれたから物凄く疲れているのだろう。同情の言葉をかける。

保健室から戻った後、教室に戻り書類などを受け取ってから各自帰宅となった。駅の方向が同じことが判明し、緑谷と帰ることに･･･

「指は治ったのかい？」

背後から緑谷の肩に手が置かれる。
なんだ飯田か。

「わ！飯田くん！うん、リカバリーガールのおかげで･･･」

「しかし、相澤先生にはやられたよ。俺は「これが最高峰！」とか思ってしまった！教師がウソで鼓舞するとは･･･」

見た目通り真面目かよ。
絶対騙されやすい奴だななどと思っていると、

「おーい！駅まで？待ってー！」

相澤先生に反論していた茶髪の女子がこっちに走って来た。

「君は∞女子」

『(∞女子って)』

「麗日お茶子です！えっと、飯田天哉くんに、流血Aさん、緑谷･･･デクくん！だよね！！」

「デク！！？」

「え？だって、テストの時爆豪って人が「デクてめぇー！！」って。」

『緑谷は出久だぞ？確かにデクとも読めるが。』

「あの･･･本名は出久で･･･デクはかっちゃんがバカにして･･･」

「蔑称か。」

「えーそうなんだ！！ごめん！！でも「デク」って、「頑張れ！！」って感じでなんか好きだ私！」

「デクです」

顔を真っ赤にして答える緑谷。

『おい』

「緑谷くん！！」

緑谷単純すぎだろ。

･････でも、嬉しかった。こうやって普通に友達が出来て、喋って、笑って････

昔、絵本で見て憧れた世界。
前の世界じゃ、あり得ないことだらけだ。

ねぇ、■■。
ちょっとぐらい幸せを感じてもいいよね。

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