8話 ページ9
『それで江戸川さん、事件現場ってどこですか?』
「知らないよ。君が案内するんだから知る必要ないし」
『………』
ですよね。私が案内人ですもんね。
依頼メールと一緒に送られてきた地図を開く。うん読めない。
ヘイ、S○ri。現在地を教えて。____現在地は神奈川県横浜市〇〇区〇〇町____。
地図も読めない。ネットで調べてもよくわからん。はて、困った。
諦めてスマホゲームでもしようかと考えていると電話が掛かってきた。名前を見れば、依頼人5。いや誰だよ。過去の私、適当に名前付けすぎだろ。
『もしもし、何でも屋の浅野ですが』
「今日道案内の依頼をした武装探偵社の者ですが」
男性の声だった。何というか、優しげで柔らかい口調だ。
『どうかしましたか?』
「いや、あの、」
男性は云いにくそうに口ごもる。
「市警から、まだ乱歩さんが到着していないとの連絡が来まして……」
『………』
やっべえ。
今までの横暴な態度で忘れてたけど、江戸川さんは探偵だ。早く道案内しないと迷惑になってしまう。そのせいで探偵社の株が下がって報復されてもおかしくないじゃん。
なんか、道案内でここまでプレッシャー感じたの初めてだよ。
「どうしました?」
黙り込む私を不審に思ったのか、そう尋ねてきた。
『いや、あのですね……』
「?はい」
『いやー、実はですね、そのー』
「?」
『ま、迷子に、なっちゃいました。はははっ………』
「………」
『………』
「………」
『………………すいませんでしたッ!!』
「……いえ。横浜は広いし、仕方ないですよ」
あっ、この人優しい。多分傷口に消毒液と間違えてメントール塗ってくるタイプだ。
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橘たまき(プロフ) - こちらから作者ページへ飛んでください (2022年7月31日 23時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - あ、ナオミちゃんだ。 (2020年11月28日 15時) (レス) id: 92966b4d55 (このIDを非表示/違反報告)
金髪紅眼 - 菜種梅雨佐矢花さん» ありがとうございます!!テスト頑張りましょう!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: cab53c1a34 (このIDを非表示/違反報告)
菜種梅雨佐矢花(プロフ) - あっ、私も、もうすぐ中間テストあります。互い頑張りましょう! (2020年9月19日 21時) (レス) id: 495b618e4b (このIDを非表示/違反報告)
菜種梅雨佐矢花(プロフ) - こんにちは、たまたまこの作品に出会って、作品を見させて頂いたのですが、とても面白かったです。応援しています! (2020年9月19日 21時) (レス) id: 495b618e4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘たまき x他2人 | 作成日時:2020年9月6日 14時