検索窓
今日:26 hit、昨日:44 hit、合計:45,022 hit

7話 ページ8

結局、私の叫びも虚しく、奢らされることになった。



「1854円です」


なんで駄菓子で千円越えるんだ。財布の中を確認すると、百円玉が四枚と十円玉が二枚。小学生のお小遣いと同レベルじゃん。



財布片手に打ちひしがれる私とは対照的に、江戸川さんは美味しそうに駄菓子を頬張っている。

………私が買ったんだし、ちょっとくらい貰えるよね?



「はい、これあげる」

そう云っていきなり何かを口に入れられた。

『んぐぅ』


口の中で感触を確かめる。ザラザラとした感触にほんのりと甘い味。どうやら丸型のガムの様だった。良かった、ゴミでも入れられたらどうしようかと。まあ、流石にそこまではしないだろうけど。……しないよね?


ガムなんて久しぶりだな、と噛んだ。その瞬間だった。


『すっぱぁっ!』

「うるさいよ」


思わず咽せる。江戸川さんの手元を見ると、三個に一個酸っぱいガムの袋が握られていた。



『ちょっ、嵌めましたねっ!?』

「んー、何がー?」



酸っぱいガムなんてハズレみたいなものだ。くじ引きで当たったポケットティッシュを他人に押しつけるくらい失礼な行いだ。


『酸っぱいやつを喜んで食べる人間なんて少数派ですよ!それを押しつけるなんて、アンタ人間じゃねぇっ!』

「どこかで聞いたことある怒り方だね。まあいいや。たまたま君にあげたのか酸っぱかっただけだよ」

『嘘ですよね』

「嘘だよ」


素直に頷く江戸川さん。私の云う事もこれくらい素直に聞いてほしいものである。

8話→←6話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (210 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

橘たまき(プロフ) - こちらから作者ページへ飛んでください (2022年7月31日 23時) (レス) id: e2eb5250a2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - あ、ナオミちゃんだ。 (2020年11月28日 15時) (レス) id: 92966b4d55 (このIDを非表示/違反報告)
金髪紅眼 - 菜種梅雨佐矢花さん» ありがとうございます!!テスト頑張りましょう!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: cab53c1a34 (このIDを非表示/違反報告)
菜種梅雨佐矢花(プロフ) - あっ、私も、もうすぐ中間テストあります。互い頑張りましょう! (2020年9月19日 21時) (レス) id: 495b618e4b (このIDを非表示/違反報告)
菜種梅雨佐矢花(プロフ) - こんにちは、たまたまこの作品に出会って、作品を見させて頂いたのですが、とても面白かったです。応援しています! (2020年9月19日 21時) (レス) id: 495b618e4b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:橘たまき x他2人 | 作成日時:2020年9月6日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。