最近の依頼内容がおかしい件

10話 ページ11

結局、江戸川さんが私たちの居る場所を明確に説明してくださったおかげで、探偵社の社員さんが来てくれる事になった。


「感謝してよね！君みたいな語彙が幼稚園児の人間じゃ、あんなに判りやすく説明出来なかったでしょう」


疑問符はなかった。


『そうですね。感謝してマスヨ』

「感謝してるわりに睨んでくるし、最後片言なんだけど」


そりゃあ、誰だって自分の性癖暴露されたら腹立つに決まってる。性癖暴露なんて、親に大人の絵本見られるくらい気まずいのに。しかも初対面みたいなものだし、普段から鼻の穴膨らませてデゥフデゥフ云ってると思われたら嫌だろう。


『あ〜、ほんっと恨みますよ江戸川さん』

「大丈夫だよ。敦にオメガとアルファなんて云っても意味わかんないから」


敦というのはさっき電話に出た人なんだろうか。いや意味がわかる、わからないの問題ではないのだが。


『いいですか、江戸川さん。性 癖というのは人に備わった能力みたいなもので、その人の個性みたいなものなんです。それを馬鹿にすることは何人(なんびと)たりとも許されないんです』

「別に君の人外フェチなんて馬鹿にしてないけど」

『わかった、負けました。だから性 癖に関すること喋んないでください』

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