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story17 ページ17

「ごめん。本当に。大野桜に嫌な思いさせた。」



嫌なんてもんじゃない。
『あの人、彼女なんですか?』って聞きたいけど聞けない。
なんだか、自分で自分を傷つけるような気がして。



「でも、もう。私に会わない方がいいんじゃないですか?」



私は、先輩から逃げたい。



「そんなこと....」



先輩は何も言えなかった。
だけど、何かを考えている。


「うん、そうかもしれない。僕たちは離れた方が幸せだよね」



先輩が考えた結論はこれだった。
お互いがこの恋から逃げたんだ。



「じゃあね」



先輩は上手く笑えてない下手くそな顔で手を振った。

私も下手くそな笑顔で返した。

これでいいのかもしれない。



これで.....





それから幾つもの時が過ぎた。
それはあっという間だった。

気づいたら先輩たちは卒業式の練習をしている



「あんたも色々あったけど先輩も卒業だね」



二人で歩く帰り道。
もう一年間過ごしたんだな。



「そうだね〜。しっかり見送ってあげるんだ」



お、いい子じゃん。なんて言いながら私の頭をぐしゃぐしゃやる絵莉。



「やめて」



絵莉は、その手を止めて急に真面目な顔をして私を見た



「な、何?」



「大丈夫なの?本当に」



「うん。大丈夫」



私に未練なんか無い。
あるわけがない。
だって、どうせ叶わない恋だったんだし。



「じゃあさ、ずっと隠してたことあるんだけど」



ま、まさか。
絵莉も好きだったとか。



「うん」



私がゴクリと喉をならした音がやけに町に響く。



「先輩、私に話し掛けてきて。大野桜がクラスで何かされてないか。って心配してた」



え。何、それ。
何で。意味、分かんない。



「それ、本当?」



「何で、私が嘘つくの」



「そっか」

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カフェらて(プロフ) - ひろのさん» 佐野さんなんですね〜。かっこいいですよね! (2016年6月28日 13時) (レス) id: a347460ff8 (このIDを非表示/違反報告)
カフェらて(プロフ) - ひろのさん» ほ、本当ですか!ありがとうございます!!めっちゃありがとうございます!!嬉しいです泣 (2016年6月28日 13時) (レス) id: a347460ff8 (このIDを非表示/違反報告)
ひろの(プロフ) - すっごいやばいですね!ちなみに私は佐野玲於さんです。笑泣きかけた...やばかったです! (2016年6月27日 19時) (レス) id: 8614b68ce5 (このIDを非表示/違反報告)
にしまろ。(プロフ) - もうね、やばいねこうなればよかったのにね笑がんばルンバ!! (2016年6月12日 21時) (レス) id: 7d5f0df8f5 (このIDを非表示/違反報告)
カフェらて(プロフ) - にしまろ。さん» ありがとうございます!頑張れます (2016年6月12日 18時) (レス) id: a347460ff8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カフェらて | 作成日時:2016年3月9日 14時

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