14話 ページ16
ヘッドフォンをし
マイクの前に立つと
まず、自分なりの
歌い出しを確認する
その後直ぐに
レコーディングされる
「それじゃまず1回
通してみましょう！」
A「はい！」
〜♪
と前奏が流れる
A「咲いた〜野の花よ
ああ
どうか教えておくれ〜…♪」
と1曲歌い終わる
「うーん…
私的にはさすがだな
って思いましたが…」
「私も…良いと思いました」
と口々に"良い"と話す
スタッフさんたち
だけど
EGOISTのプロデューサーさんの
ryoさんは…
ryo「確かに…綺麗な
歌声で
良かったとは思いました
ただ、あなたは
ウチのEGOISTの
ボーカルである
chellyの歌い方に
寄せてはいませんか？」
A「！？」
確かに
その通りだ
私は
この作品にとって
EGOISTという架空の設定の
バンドの存在が
いかに大切なことであるかしか
考えていなかった
ryo「これでは
貴方らしさがないと思うんです
EGOISTの存在を大切に
思ってくれるのは
大変有難いことですが
やっぱり今は
この曲はあなたの曲です
しっかりあなたのものにして
ほしいんです」
A「……はい」
私らしさ
そう
実写としての
楪いのりは私…
私が楪いのり
だから
私が私として
歌わなきゃ！
A「ごめんなさい！
もう一度お願いします！」
監督「良いよ
君は本物の歌手なんだ
気が済むくらいやって見て」
とレコーディングの
見学に来ていた
監督さんが話す
A「ありがとうございます！」
ともう一度
最後まで通す
すると
監督 ryo 「……」
スタッフたち「……すげぇ」
A「？」
ryo「……流石だよ
やっぱり君は」
A「え？？」
監督「素晴らしかったよ！
Aちゃん！」
A「ほ、ホント…ですか…！？」
ryo「これなら安心して
ウチの曲を提供出来るね」
うそ…
A「あ、ありがとうございます！」
非常にいい出来だったみたい
「よし、そのまま本番だ！」
と本番が始まった
ryo「本当に…
リアルな楪いのりだよ…」
監督「えぇ…
私の目は確かだったようですね
前から彼女に興味がありましたから」
ryo「？」
監督「彼女は
私の作品に必ず出したい
と思っていましたから
だから見込み違いでは
なかった
かなり素晴らしい
"女優"になりますよ」
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作者名：拉麺 | 作成日時：2018年9月11日 5時
