高嶺の・・・Ⅱ【ONEPIECE】 (ページ25)

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61話ページ25

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可憐で細い足であの分厚い壁を1回の蹴りだけで破壊したAにその場の誰もが釘付けになった
Aをよく知る仲間たちは、本当にあれが自分たちの姉さんなのか…？と疑問を浮かべている

纏っている雰囲気がどこか別人のようにも感じる
長い髪が顔にかかっているせいでハッキリと顔は見えていないが、微かに見えた目は焦点があっておらず口からは何やらブツブツと言葉が出されている

ｾﾝｺﾞｸ「まさか…」

ｶﾞｰﾌﾟ「これはちとまずいかもしれんぞ…」

ｴｰｽ「姉さん…」

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未だに何やらブツブツと言葉を漏らしているAに白ひげは周りの制止を聞かずに近づいて行く

白ひげ「A」

『ーーーーーー』

ゆっくりと振り向いたAを白ひげは力いっぱい抱きしめ、2人にしか聞こえない声量で話し出した
小さい子供をあやす様に背中を撫でながら言葉を紡いでいく

白ひげ「落ち着け」

『…………と、様』

白ひげ「あァ」

『…父様…』

落ち着きを取り戻したAはなぜ自分が白ひげに抱き締められているのかわからず、頭にハテナマークを浮かべている

ｻｯﾁ「今の…」

ﾏﾙｺ「サッチ？」

ｻｯﾁ「あの時と同じだ…おれがティーチに襲われていた時と…」

ﾏﾙｺ「どういうことだよい？」

サッチはティーチに襲われていたところを助けてくれた時のAの様子をマルコに話した
その話を聞いてマルコはあたかも信じられない。って顔をしたが、先程Aの見せた謎の力を目の当たりにしたらそれも納得せざるを得ない

もう1回Aを見たとしても、いつものAで白ひげ海賊団の姉で、特に変わったところは見当たらない。だからこそ……〝怖い〟という感情が芽生えてしまう。

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ｾﾝｺﾞｸ「これより速やかに、ポートガス・D・エースの処刑を執行する！」

『っ…！聞け！白ひげ海賊団！』

白ひげの腕の中から動き、愛銃を手に持ったAは場に凛とした声と銃声を響かせた。
Aの銃声と共に、センゴクの言葉を聞き急ぎたっていた海賊たちは動きを止めた。

『見えもしない場所で仲間をーー弟をあっさり殺されてたまるもんですか！通るはオーズの道かこの目の前の道しかない！敵は必ず構えている！』

『…自らの命を掛け、私たちの末っ子を救い出せ！』

「おぉぉぉぉぉぉぉお！！」

再び、己の武器を構え、空高く掲げ、高らかに叫んだ海賊たちを止める術はーーもう存在しない。