高嶺の・･・【ONEPIECE】 (ページ23)

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22話ページ23

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この男ーーティーチは白ひげ海賊団の中でもかなりの古株に当たる人物だ。
そんな男がなぜ、こんな事を………

白ひげ海賊団には鉄の掟があり、いかなる事があったとしても家族に手を出す、家族殺しは許さない
それをこの男は簡単に破ったのだ

『なぜ、サッチを』

ﾃｨｰﾁ「こいつを手に入れる為さ」

『……悪魔の実？』

ティーチの手には昼間サッチが敵船から奪ってきた悪魔の実が握られている
その悪魔の実が欲しいが故に、家族であるサッチを刺し殺そうとしたのか……。とAの中でなにかドロドロとした感情が蠢く

ﾃｨｰﾁ「そいつはもう助からねェ
姉さんにもここで死んでもらうぞ」

『………の、……だけに』

ﾃｨｰﾁ「なんだ？」

『その為だけに……サッチを……』

ゾクッ。とティーチの体を何かが駆け抜けた
恐怖に似たそれは体の自由を奪っていく。長年海賊をしてきた勘だろう、1歩でも動いたら間違いなく〝殺される〟

下を俯いていた顔をゆっくりと上げたAを見た瞬間、ティーチは一気に恐怖で体を支配された
これまで仲間を傷付けられ怒っているAを見た事はあったが、今のこれはその時の比じゃない

普段は温厚で家族思いなAに似ても似つかないその雰囲気。まるで……〝別人〟のようだ

『……………す
……………殺す』

ﾃｨｰﾁ「っ………」

目は焦点があっておらず、風が吹いてもいないのに髪は毛先が揺れている。
握っていた銃の引き金を引くが、弾は当たるどころか〝消えた〟

このままでは確実に殺される。と判断したティーチはすぐ様その場から走り去った

『サッチ………』

ｻｯﾁ「………」

ゆっくりとサッチの頭を撫で傷口に手を添えると、そこから淡い光が放ち始めた
すると、みるみるうちに傷口の出血が止まり、完全に止まりきった所でAは張り詰めていた糸が切れたかのように意識を飛ばした

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『んっ………』

「あっ、姉さん！気が付きましたか？！」

『リサ………？』

Aが意識を飛ばして、目が覚めたらモビーの医務室の中だ。ベッドの横には安堵した様子で顔を覗き込んでいるナース長のリサがいる

『…………サッチは？！』

ﾘｻ「まだ起き上がったらダメです
姉さん、2週間も眠ってたんですよ」

『2週間も？』

ﾘｻ「マルコ隊長が血塗れのサッチ隊長の横で気を失ってる姉さんを見つけたんです」

外傷がなくて良かった……。と本当に安堵した様子で言ったリサにAは首を傾げた

ーー
次に。