高嶺の・･・【ONEPIECE】 (ページ19)

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18話ページ19

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ｴｰｽ「おれはあの、大犯罪者の血を引くんだぞ！
そのおれが怖くない？姉さんはどうかしてる！」

『いくら大犯罪者の血を引いていたとしてもそれが何？あなたの生きている意味を否定しているの？』

ｴｰｽ「あぁ！してるさ！
おれは……おれは産まれてきちゃいけな……っ！」

乾いた音と頬に感じるヒリヒリとした痛みがエースの体に響く
叩かれた事に気付いたのは目の前にいるAが静かに涙を流しているのを見てからだった

ｴｰｽ「えっ、ね、姉さん」

『何言ってるのよ………
ふざけた事抜かしてんじゃねェよ！』

ガッ。とエースの胸倉を掴掴み上げ涙をずっと流しながら訴える
普段の姉の口調からかけ離れた言葉が出てきた事と泣かれている事に困惑しているエースを他所にAは言葉を止めない

『産まれてきちゃいけない？誰がそんな事を決めた！誰がそんな事を言った！
くだらない、あんた自身をちゃんと見てない人間なんかが言った言葉をいつまでも間に受けてんじゃねェよ！』

ｴｰｽ「………」

『あなたは、この船に乗っている私達の大事な末っ子！ポートガス・D・エース！
その血筋がどうであれ、私達の大切な〝家族〟！』

ｴｰｽ「けど……みんなこの話を聞いたら……」

「離れていく……」と小さく呟かれた言葉を聞いてAは目の前で震えている体を抱き締める
自分より体格も良くて威勢もある男なのに、今は自分よりも遥かに小さくとても幼い子に見えた

『離れてなんて行かない
ここにいる誰もあなたの事を要らない存在だなんて思ってない』

ｴｰｽ「姉さん……おれは、生きてても良いのかな」

『当たり前じゃない
だって、この世に生まれてきて間違いだって人間なんて存在しないから』

ｴｰｽ「っ…………」

抱き締め返し肩口に顔を埋めるエースの頭をゆっくりと撫でる。癖のある髪の毛が首に当たって擽ったいが、肩に感じる冷たさに静かに目を閉じる

『エース、私はあなたを愛してる
私だけじゃない、父様もマルコ達も、みんなあなたを愛してる』

ｴｰｽ「うん………」

『エースにはエースにしかない考え方がある
エースにはエースにしかない優しさがある
エースにはエースにしかない強さがある』

『十人十色って言葉があるように
人はそれぞれ、誰から産まれようとどんな血を引いていようと関係ない』

『だから、自分を否定するような事を言わないで』

頷いたエースの頭をずっと撫で続けながら安心するように言葉を投げかけ続けた