不安 ページ8
翔side
ｰｰｰｰｰｰｰ
車に戻ってすぐに会社に電話を入れた。
朝から、どこか元気が無くてボーッとしていたA｡
朝ご飯中も《ふぅ〜》と深呼吸を繰り返しているのが気になった。
でも、すぐに助けを求めて来ない事もわかっていたし…‥
それよりも、智と雅紀に気づかれないようにしているように見えたから。
きっと俺にもね…？
翔「もしもし。…‥えっ？父さん？」
基本的に電話に出ない現社長であり俺の親父が出た。
翔「…急なんだけど、
今朝からAの様子が可笑しくて…。
うん。…‥たぶんそうだと思う…。
また何かあったらケータイの方にかけるから。」
来た道を戻って家に急いだ。
家に帰ると玄関の鍵が閉まっていた。
一瞬、『まだ産休に入ってなかったか？』と疑問に思ったけど鍵を開けて中に入った。
Aの靴と合い鍵がホックに掛けてあった。
リビングに居ると思って覗いたけど気配が無くて、
焦って名前を呼ぶと廊下の奥から
俺の名前を呼ぶ声が聞こえてホッとした｡
翔「A〜？」
洗面所に行くとしゃがんで開けっ放しの洗濯機に手を突いて
浅く呼吸を繰り返しているAの姿があった。
翔「A、大丈夫か？…‥陣痛？」
A「翔…‥。」
ポロポロ泣き出してしまったAの涙を拭いながら、
これからする事を必死に思い出す俺。
翔「陣痛の間隔は今どのくらい？」
A「…わか‥んなぃ。
……ケータイ、キッチンにある。」
陣痛が収まったタイミングでソッとお姫さま抱っこをして、
リビングのソファーに降ろした。
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作者名：莉乃 x他1人 | 作成日時：2017年8月23日 16時
