烏野の華は【2】

＊スローモーションのように ページ12

孝支はコートに入ると1人ずつ手で叩いていく



菅原「大丈夫！一本切ってくべー」



私にピースサインを孝支はおくりながら
烏野の雰囲気を変えていく。





孝支は飛雄には及ばない？


そんな事ない。烏野のセッターだもん。


ベンチに居たからこそ見てきたからこそ冷静に
分かることがあるんだ



惜しくも1セット目は青城にとられたけど雰囲気は
さっきよりも断然良い。



2セット目は飛雄は笑顔、、、？ちょっと不器用な
笑顔だったけどチームを考えてプレーしようとしている。




結果は烏野が2セット目をとった




最終セット、、3セット目



ガタガタと震えながら番号札を持つのは忠

初試合で初サーブ

そこに立ったら私だって緊張で吐きそうになるよ



「悔いの残らないように頑張れぇぇ！！」



忠は後ろを向いて小さく頷きボールを宙へ浮かす







ただ、そのボールが相手のコートに落ちることは無かった



俯きながら元の場所へ戻る忠。私に出来ること、、



「悔しかったら、それをバネにするんだよ！！

私は忠なら頑張れるって信じてるからねぇぇぇ！」



私の言葉が届いたみたいで
忠はゆっくりとこっちを向き笑顔になった。









青城との戦いは接戦を繰り広げ30点を超えていた


今は青城のマッチポイント



何度も拾われ、それを打ち、また拾われ



翔陽の体力は限界まで来ているはず。
それでも彼はトスを呼んでいる。普通ならば心折れるこの状況も翔陽からは感じられず、ただ私は祈るばかりだった。





それでもいつかは終わりが来る





完璧な飛雄のトス。それを信じる翔陽のアタック



でも打ったボールはブロックされ烏野のコートへ
ゆっくりとスローモーションのように落ちていく


ピピーーー


勝者 青葉城西





私達は敗北した




勝利に喜ぶ青葉城西。



崩れ落ちる烏野。



その光景を見て私達は負けたのだと痛感する。




何故か私は冷静だった。




ただ静かに涙が流れていく。




普段以上の力を発揮したのに、それでも負けた。



選手達の悔しさを私は完全には理解出来ない。



でも、皆がどれほど頑張ってきのかは分かる。




澤村「「整列！！」」


力強い大地の声が聞こえた。



立ち上がり1列に並ぶ烏野。









「「みんなー！！お疲れ様でしたぁぁぁぁ」」




私達はこれから変化し続ける。



強くなる。これはその過程。大丈夫。



だから今は悔しさをバネにしよう

＊少しずつ強くなればいい→←＊ＶＳ青葉城西

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