「音楽家と少女」 ページ19
──
ポロロン、
旧校舎の開かずの間に近い、今や使われていない音楽室でピアノの音が響いた。しかし、すぐに音は止み静寂となる。ピアノを引いていた、少し存在感の薄い……幽霊の少女は大きく溜息をついた。
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「七不思議の八番目と七番目が衝突……」
「嗚呼、烏から聞いたんだぜ！！やべぇよな、ついに八番目がやらかした！！」
幽霊の少女しかいないはずの部屋に下品な笑いが起こる。それは音楽室に飾られた音楽家達の肖像画から発しているようだった。音楽家の彼らもまた額縁から出られない幽霊である。
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ジャーン、と先程の小さな音とは違って大きくピアノの音を鳴らす。音楽家達は驚きつつ口を噤んだ。少女は俯き黒髪が垂れる。
「……馬鹿みたい」
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「なァにが馬鹿みたい、だよ！「欠番」が七不思議から降りれば確実にお前が八番目に昇格するんだぜ！？こんな嬉しい話は無いだろう！」
「私は別に七不思議になりたかった訳じゃない……自由に音楽が弾けるのなら何でもいいの」
大きな音に口を噤んだ音楽家の中からベートーヴェンと書かれた音楽家から怒号が響く。おそらく彼女と音楽家は怪異と言ったところか──名前は「真夜中の音楽室」という怪異である。真夜中に旧校舎の音楽室に入ると誰もいないのにピアノの音と複数の笑い声が聞こえるという。七不思議ではないが、それなりに学園内で有名な怪談だ。
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「でも……何故、八番目が活発化したのかは気になる……」
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縁結びをした神無月姉弟を使ってまで何をしたいのかね──なんて少女は誕生日を前に楽しみにしている、子供のようなあどけない顔で笑うのであった。
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のんのん - おっもしろいです！これからも応援してます！ (2020年7月28日 19時) (
レス) id: 7c57b8ea8a (このIDを非表示/違反報告)
クリパーランプ - 続きがすごく気になります(*≧∀≦*)コレからも更新等々頑張ってください！応援してます！ (2019年1月5日 0時) (レス) id: 12fca75d2a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫と影猫とお菓子。(プロフ) - 続き、ますか…？(期待の目) (2018年8月4日 22時) (レス) id: bf9c53bfd9 (このIDを非表示/違反報告)
翡?翠(プロフ) - はらさん» ご注意ありがとうございます。外し忘れてました…。すぐに外します。 (2018年5月2日 22時) (レス) id: 99ba1bed6a (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月2日 22時) (レス) id: 24eceefe57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘夏蜜柑 x他1人 | 作成日時：2018年5月2日 22時
