「怪しげな笑み」 ページ12
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「……んふふ、……あははっ!」
静寂な放送室で不釣り合いな笑い。その笑いは止まることなく、それどころか大きくなるばかり。声を上げる本人は腹を抱えて笑い転げている。
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その様子に耐えきれなくなったのか彼女は読んでいた本をパタンと閉じて目で蔑んだ。
「……うるさい。集中して本も読めないわ。」
「クスっ……だってさぁ、!」
そう言ってまた大笑いをする。彼女……サクラはそんな司を見て本を読むのを諦めたかのように彼と向き合った。そのタイミングで夏彦が丁度放送室に入って来た。
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「ふふ……サクラとナツヒコは七不思議の八番目って知ってる?」
「八番目ェ?七不思議って七つだけじゃないのか?」
「そうなんだけどね、……本当は八つあるんだよ」
夏彦は首を傾げ頭の上にハテナを浮かべる。サクラは夏彦程は反応はしないものの、顔を顰めた。
「その……八番目の名前は?」
「んーっとね!「欠番」だよ!!」
「聞いたことねぇな……」
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「カァ」
「!!」
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──烏の鳴き声がした。司は近くにあったハサミを掴み烏が居たであろう窓の外に向かって投げつける。……ただハサミは窓ガラスを割るばかりで烏の姿は消えていた。
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「何だ!?」
「割れた音がしたぞ!!」
放送室へと次々に音を聞きつけた先生達が入ってくる。サクラと夏彦は慌てていたが、司だけは割れた窓の外を見つめ怪しげに笑って、そう言った。
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嗚呼、やっと八番目が動く──と。
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のんのん - おっもしろいです!これからも応援してます! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 7c57b8ea8a (このIDを非表示/違反報告)
クリパーランプ - 続きがすごく気になります(*≧∀≦*)コレからも更新等々頑張ってください!応援してます! (2019年1月5日 0時) (レス) id: 12fca75d2a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫と影猫とお菓子。(プロフ) - 続き、ますか…?(期待の目) (2018年8月4日 22時) (レス) id: bf9c53bfd9 (このIDを非表示/違反報告)
翡?翠(プロフ) - はらさん» ご注意ありがとうございます。外し忘れてました…。すぐに外します。 (2018年5月2日 22時) (レス) id: 99ba1bed6a (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月2日 22時) (レス) id: 24eceefe57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 x他1人 | 作成日時:2018年5月2日 22時