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「せきばん」 ページ22

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「貴方様にそれを知る必要は無いと思いますが……?」


「まぁ、そうね……でも言えない程大変な事なのかしら?」







挑発が挑発で返され、楽無は先程まで出なかった苛立ちで遂に舌打ちで出た。恐らく、そちらの方が本性なのだろう。とヤコは感じていた。








「ふぅ、……いえ大層な事ではありません。分かりました。話します……。」




楽無の口からポツポツと零れるように彼らの過去を話した。しかし、攻撃の手を止めぬまま──である。




──────







私は此処(かもめ学園)から遠い遠い日本のどこかの山で仲間の烏天狗と暮らしておりました。貴方様の言っている通り、私達は日本妖怪らしく神隠しなど……いわゆる妖怪の仕業をしておりました。







しかし、そうこうして遊んでいるうちに都は……日本は近代化が進み妖怪を信じない恐れない者が段々と現れ……住処であった山を開拓のために壊していき我々は隠居せざるを得なかった。







仲間と離れてしまった私は偶然にも、このかもめ学園を見つけ生きるために怪異として存在しておりました。ええ、そうです。旧七不思議八番目「墓地の烏天狗」として。よくご存知で……。





そくやって七不思議として役目を全うしていた数十年前、私の目の前に15.6歳の少年が現れたのです。境界内ですから眷属(カラス)が沢山居て傷ついていないと可笑しいのに…………その少年は無傷だったのです。

最初は祓い屋かと思いました。しかし……それにしては祓い屋、人間の雰囲気ではない。少年はニタァと口角を不自然に上げ仰ったのです。





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"「君の席番を俺に頂戴」"──と。





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勿論、首を横に振りました。ですが、その瞬間私の自慢だった漆黒の羽をむし取られた。ブチリブチリと嫌な音を立てながら。嗚呼……今では嫌な音は思いませんね。何故なら……こうしてご主人様と同じ──怪異として存在しているのだから。

「悪霊の少年」→←「ただの気まぐれ」



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のんのん - おっもしろいです!これからも応援してます! (2020年7月28日 19時) (レス) id: 7c57b8ea8a (このIDを非表示/違反報告)
クリパーランプ - 続きがすごく気になります(*≧∀≦*)コレからも更新等々頑張ってください!応援してます! (2019年1月5日 0時) (レス) id: 12fca75d2a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫と影猫とお菓子。(プロフ) - 続き、ますか…?(期待の目) (2018年8月4日 22時) (レス) id: bf9c53bfd9 (このIDを非表示/違反報告)
翡?翠(プロフ) - はらさん» ご注意ありがとうございます。外し忘れてました…。すぐに外します。 (2018年5月2日 22時) (レス) id: 99ba1bed6a (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月2日 22時) (レス) id: 24eceefe57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘夏蜜柑 x他1人 | 作成日時:2018年5月2日 22時

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