桜色Memories 【黒子のバスケ】 (ページ23)

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インターハイ予選

今日の相手は誠凛…黒子のいるチームだ。

試合前、真ちゃんと黒子が話しているのが目に入った。

真ちゃんは黒子のことを認めている。

もちろん私も他のキセキの世代も

だからこそ、黒子には勝たなきゃいけない。

中「桜華、他になにかあるか？」

貴『いえ特には…ただ、

誠凛は最初の1本目を大事にしたいはずです。

先に点を取った方に流れが傾くと考えていいかと思います。』

頑張って…

コートに歩いていく皆の背に向かって小さく叫んだ。

試合が始まって2分

1本取ろうとした火神を真ちゃんがブロックした。

そのボールを大坪先輩が高尾へ

高尾から真ちゃんへと渡り

放たれたボールは綺麗にリングを潜った。

貴『…！もどって！！！』

誠凛のゴール下にいる黒子

走る火神

考えられることは1つ

取り返しだ。

黒子の手から放たれたボールは

真ちゃんの顔の横を通り

ゴール下の火神のもとへ渡り

誠凛が点を決めた。

中「桜華、どうだ？」

まじまじとコートを眺める中谷監督が私に言った。

貴『データでいくと、まだ不十分ではありますが

黒子を駆使して点を取ることを狙いとしているのではないかと思います。

2年生に関しては正邦との試合でかなり観させてもらいましたので

あとは少しずつ探ってみます。』

問題は火神大我。

試合中から最新のデータを取り揃える私にとっては

未完成は1番厄介なものだ。

完成が遅いほど

データの完成率も遅くなる。

貴『(どうしようかな…)』

100%の完成率に仕上げるためにも

この試合で火神には成長してもらうしかない。

その為には

真ちゃんのスリーで

どれほど成長していくかにかかっている。