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side:K9 ページ9

「取り敢えず座れよ」

ひとまず座るよう

ソファを見ながら促す

俺の隣に腰を下ろした迅は何も話さない、

いつもの飄々(ひょうひょう)とした雰囲気は鳴りをひそめて何も喋らない

その姿にこいつがAを

それほどまでに大切に思っていたのかが伝わり

ゆらゆらと黒い影が俺の心の中で揺らめき出す

こんな状況だというのに

己の欲望を優先させる自分に腹が立つ

この気持ちを払拭するためにも

気分転換に散歩でもいこうか、と

立ち上がろうとする俺を止めるように迅が

「俺が頼んだんだ」

そう、一言漏らした

迅が放った言葉の意味が理解できない俺は

ただただ、惚けるしかない

「俺がメガネくんを助けて欲しいと頼んだんだ」

意味を理解すると同時に

湧き出てきたのは激しい怒りの感情、

その衝動に身を任せて(じん)をぶん殴るため

腕を振り上げ思いっきり下ろした

ゴンッという鈍い音と同時に迅がよろめく

それでも胸の内に燃える感情は収まらない、

感情のままにもう1度、腕を振り下ろした

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設定タグ:ワールドトリガー , 太刀川慶   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:はみ出し卵 | 作成日時:2016年6月12日 9時

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