変な人にはお仕置きを ページ6
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「お嬢さんたち、可愛いね!良かったら、どこかでお茶しない?」
ある日、五月雨Aと時透無一郎の2人が歩いていると、2人は、ナンパをされてしまいました。
産まれて初めて、という訳ではないので、Aさんは切り抜けられるのですが…
ナンパされた彼…無一郎は、気に食わないみたいです。
それもそうでしょう。
彼は、男の子なのですから。
彼は、彼女の前に立ち、男に言い返しました。
「ねえ、なんで人の彼女をナンパしたの?制服のズボンとスカートを見れば、異性だってわかるよね。僕、Aと一緒に帰ってる途中なんだけど。頭使ったら?」
「え?はっ…男!?」
無一郎は、驚いている男に、喧嘩腰で言いました。
男は、怒りに満ち溢れてしまいました。
そんな無一郎を、彼女が宥めようとすると…急に、腕が止まりました。
…彼女の腕は…ナンパ男の人に、掴まれていたからです。
「おい、お嬢さん。腕を折られたくないなら、そのまま見てな。この野郎をぶっ飛ばしてやっから」
男は、Aさんの腕を強く握りながら、そう言いました。
ですが、彼女は何もわかりませんでした。
どうして、自分の腕を折れる前提なのだろう。
どうして、私が弱いと思っているんだろう。
そんな思いが、彼女の顔を歪めました。
無一郎は、そんな彼女に気づき、声をかけました。
「聞く必要ないからね、A。逃げるか振りほどくかして」
訳すと…
ナンパ男の腕を振り払え、逃げろ
です。
彼女も、それくらいはわかりました。
振り解けるわけないだろ!と笑いながら男たちは言いました。
ですが、彼女は怪力です。
それも…全力を尽くせば、金属を粉々にできるほどに…
彼女は、無一郎の言葉を聞いた後、
「それでは、失礼しますね」
と言い…もう片方の手で、自分の腕から男の手を離しました。
彼女にとって、少し握力を込めただけで折れてしまいそうな男の腕は、ひ弱としか思えませんでした。
簡単に振りほどかれた男は、顔を真っ青にしました。
「あの…私たち、早く家に帰りたいので、帰ってもいいですか?」
「…ちっ…覚えたからな、A。今度こそ、成功させてやる…!」
「残念でしたね、また今度」
また今度、と呟いた彼女の声は、誰にも届きませんでした。
オマケ
「私たち、恋人同士ではありませんよ?」
「そう言った方が早く帰れるでしょ。そんなこともわからないの?」
実は、付き合ってなかったり…?
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