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「動くな!!」
ヒロがそう言うと、男はやっとこちらの存在に気付く。
身長は170程で、黒髪に少し白髪の混じった40後半ほどの男だった。
「っ!?警備の奴らは皆降りたんじゃなかったのかっ!!」
「ああ、僕等以外はね」
「悪いが、起爆装置は両方とも解体した」
「っクソ!!」
先程地面に叩きつけたであろう携帯を此方へ投げてくる。
そのままエレベーターを使い、男は恐らく一階へと降りた。
「ヒロ、追おう」
「ああ!」
僕等もエレベーターで一階へと降りることにした。
・
no-side。
「A」
「何?」
エレベーターの中、諸伏は藤原へと訪ねた。
「外に、お前と似た顔の男性がいたんだ。お兄さん、確か近くに住んでるって言ってたよな」
「、、、、、ああ、、兄が、、、」
目を伏せて自分の足元を見る藤原。
「、、、、お兄さんと仲悪いのか」
「いや、そういう訳じゃないんだ」
諸伏はちらりと藤原を見た後、また正面を向いた。
「ただ、遠くにいた方が大切に見えたって、突き放されちゃってね」
『僕もだ』
『嘘を吐いた』
エレベーターが止まる。
一階についたのだろう。
「僕は、別に」
「離れなくても、遠くにいなくても」
「ずっと大切だった」
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作者名:co2 | 作成日時:2022年5月7日 0時