score6. ページ6
no-side。
「部活終わり?」
「そう」
藤ヶ谷が佐久早へ駆け寄ろうとすると、佐久早が手のひらを見せて制止した。
「?、、、、ああ、ちょっとまって」
藤ヶ谷はカバンからアルコール消毒のスプレーを取り出し、全身にかけてから手にも念入りにすり込んだ。
「、、、及第点。次からは除菌シートも持っといて」
「はーい」
そうして、やっと佐久早の隣に並んだ藤ヶ谷。
「佐久早家どっち?」
「そっち」
「あ、同じ。途中まで一緒に帰ろ」
「ん」
除菌さえすれば普通素直だな、、、と思ったのは藤ヶ谷だけでは無いはずだ。
「(断られるかと思った、、、)」
少しでも受け入れてくれたことが嬉しくて、藤ヶ谷は幼い頃に拾った野良猫を思い出した。
拾った当初は警戒心MAXな猫が次第に慣れてくる。という感覚と同じなことに気がついた。
「それ、転んだ?」
隣を歩いていると、佐久早が藤ヶ谷の腕に視線を遣った。
腕捲りされた左腕には痣。
「そう。さっき、練習中に派手にすっ転んだんだ。布擦れる度にひりつくから捲ってる」
「痛そ、、、」
もう既に少し青くなっている痣。
「もっと上手に転びたかった、、、、」
「上手に転ぶ、、、、?」
佐久早は藤ヶ谷を不振な目で見た。
「初心者の頃に言われることが多いんだけど、怪我をしない為の転び方があるんだよ」
藤ヶ谷は佐久早を見て笑った。
「転ぶことを恐れない選手が一番の選手だ。フィギュアスケートでは、どれだけ平気な顔をして立ち上がれるかが重要なんだよ」
257人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
co2(プロフ) - 氷咲@氷珀さん» 初めまして!コメントありがとうございます!!そう言ってくれてとても嬉しいです、、、!!最近更新できていませんがまた次回ができ次第更新しますので、是非見てやってください!!! (3月12日 22時) (レス) id: 998bc1c937 (このIDを非表示/違反報告)
氷咲@氷珀(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。最近佐久早聖臣が気になってサイト内を放浪していましたが、作者様が書くストーリーが癖に刺さりました!更新楽しみにお待ちしています。 (3月11日 19時) (レス) @page13 id: b0b4af51b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:co2 | 作成日時:2023年12月16日 16時