20 ただのお話。 ページ20
たぶん冬!
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三間side。
部屋につくと、カイザーはさっさとベッドに横になれと急かした。
命令に従うことが癪だったが、言われたせいなのか、少し身体がだるくなってくるのを感じたので大人しく従う。
いい?お前の言うこと聞くのなんて人生のうち今日が最初で最後だからな!!!と脳内ブチ切れで布団を被る。
「絵心に報告してくるから寝てろ。マスターにも言って、お前は明日休みにしてもらう」
「え!やだ!!」
「クソ
先程から珍しく正論ばかり述べてくるので言い返せない!
「か、カイザー、、!!」
ノアへの報告だけは行かせまい!!と部屋を出ていこうとするカイザーを引き留めようと名前を呼ぶ。
「あ?」
「あ、あー、、、ァー、、、ひとりはさびしーな!」
「、、、、、」
「、、、、、」
沈黙やめない?
「、、、ハァーッ、、、、、ハハ、Aちゃんは体調管理もできない上に幼児退行までしてしまったのか?」
なに?その笑み。バカにしてる??
ベッドの隣に椅子を持ってきて座ったカイザー。あ、結局居てくれるんですね。
「んでなんだ。何企んでる」
「いや、、、別に何も」
ぼんやりと天井を眺める。
あ、そうだ。
「そこ、棚の中にカイロあるから使って良いよ」
布団から手を出して、棚を指さす。カイザーは首を傾げて「カイロ、、、?」と眉を寄せた。
「あ、もしかして知らない?」
「地名か?」
「バカ?」
エジプトじゃねーから。
とりあえず持ってきて。と言うと、見慣れた、貼らないタイプのカイロの袋を持ってきた。
その袋を開けてひとつ取り出し、シャカシャカと振ってからカイザーに手渡す。
「、、、これがなんだ」
「まあまあ、じきに分かります」
それから数分すると、カイザーの目が見開かれた。
「!なんだこれ、少しずつあったかくなってきてるぞ」
カイロを握りながら驚いたように言うカイザーに笑ってしまう。この時だけは年相応の表情だった。
「鉄の酸化反応で温かくなるんだよ。これは前に家へ帰った時に、私の母が持たせてくれたんだよねえ」
「、、、Aの母親は優しいんだな」
無表情でそう言ったカイザー。カイザーらしからぬ発言に疑問符をうかべた。
「??」
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作者名:co2 | 作成日時:2023年10月9日 22時