18 外と上。 ページ18
三間side。
ﾎﾟｽﾝ
「ﾋｮｴ、、、、」
適当なクッションの上に落とされた。何もない床に落とされなかっただけマシか。
「オイ。ずっとぶっ倒れてんじゃねえです。早く起き上がりなさい」
いや落としたのはお前じゃん？？？
舌打ちをしながら起き上がると睨まれた。ホント何こいつ。
「で何。何の用ですかアレクシスｸﾝ。帰っていいですか」
近くにあるベッドをバフバフと叩く。
「ホコリが立つからやめなさい！」
ネスはベッドの隣にある鏡台の椅子を引いた。
「座りなさい」
「いやだ」
「ドイツ語で了解の意は
「拒否権！！！」
結局、私が折れてその椅子に座る。そうすると、ネスはドライヤー、櫛、ヘアオイルなどを取り出して笑った。
「アナタは髪のケアを怠りすぎです。この際僕が色々教えて差し上げましょう」
オーラが黒い。あーコイツ髪とかすんごい拘りそうだもんな。
「まず髪を乾かさないのは論外中の論外！お風呂に入って髪を洗うと、キューティクルが開きます。ドライヤーをすると閉じるので、お風呂の後は必ずドライヤーで乾かさないとダメです！」
いつもの調子からして、もっと雑にされるかと思っていたけど、かなり丁寧で優しい手つきだ。
「しかもあなた！試合の後とか、いつも手ぐしですけど、ブチブチ切れてんの聞こえてますから！！普通に櫛を常備しなさい！」
「えー」
「返事はja！！！！」
「こわい」
ドライヤーを終えて、櫛で髪をとかされる中、私はネスへ聞いた。
「ネスは私の事嫌いでしょ。なのになんでこうして接してくるの。意外と普通の友達みたいじゃん」
ネスは一瞬ぽかんとして、その後にふ、と笑った。
「嫌いですよ。ピッチの上ではね」
「でも裏を返せば、ピッチの外であればそうでもないんです。世一は別ですが」
「ふーん、、また不思議な、、、」
「それくらい君がピッチの上ではヤバい奴だってことを自覚した方がいいですよ」
「ネスの方が頭おかしいでしょ」
「ほーー？？？？」
ヘアオイルの少しだけ甘い匂いが鼻をかすめる。
「、、Aは、僕のことが嫌いですか」
「嫌いに決まってんだろ、、、」
〜殴られた〜
「真面目に聞いてるんですけど！」
青筋を浮かべるネス。ごめんて。
「はは、、、嘘だよ。私はどっちのネスも好きだと思うよ」
「、、そうかよ」
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作者名：co2 | 作成日時：2023年10月9日 22時
