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水景side。
ﾀﾝｯ！
山之内も中てる。振る矢通間になってはいるが、酷い訳では無い。
「よーし！！」
ｽﾊﾟﾝｯ
竹早はいつも通りの綺麗な中り。桐先の双子の早打ちにも引っ張られることは無く、ブレない。
「よーし！！」
ﾄﾝｯ！
如月。力むことなく、柔らかい。それでいてしっかりと中ててくる。
「「よーしっ！」」
如月のファンらしき女の子たちが声がけをした。おかげで桐先に飲まれず、いい感じに進められる。
ﾀﾝｯ！！
湊。早気の気配が薄れてきている。
少しずつ、彼の望む美しい弦音に近付いて行っていることを願う。
「よーし！！」
「おお、、、！！」
「十人全射的中って！」
「これって凄くない！？凄いよね！？」
「「凄いよ！！/凄いですわ！/凄いです！」」
ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ
湊。
みんなの背中がよく見えているんじゃないかな。自分以外の、4人のことも。
彼らは今、世間一般に言う"
小野木の繊細さ。山之内の思い切りの良さ。竹早の無駄のなさ。如月の力みのなさ。
普通に弓を引いていたら気付かないこと、全て見えるでしょ。
『A先輩は、弓を引いてる時、何考えてるの？』
それは、少し前に聞かれたこと。
『考えてること、、、？あんまりないけれど、、、あ、視界が澄んでる。今なら中る。みたいなことは思ったりする時あるなー』
『えー、、、あんま分かんないな』
『わかる時が来るのを願うよー』
湊。"視界が澄む"は、そういう意味だよ。
ｽﾊﾟﾝｯ！
「よーし！！」
再度会場がざわめき立つ。
「おいおいどうなってんだ、、、？すげえなこりゃ！」
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作者名：co2 | 作成日時：2023年7月2日 23時
