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二階堂は愛が重そう。
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水景side。
二階堂は私へ向いた。目元は、俯き気味で、前髪に隠れて分からない。
その時だった。
パシッ
「自慢の弓、引けないようにしてやろうか」
掴まれた手首。それに力が込められて、みしりと骨が軋みそうだ。
息を吸って、私は言った。
「いいよ」
自分でも意外なほどの落ち着いた声が出た。
「それで君の気持ちが治まるなら」
「はあ、、また話せなかった、、、馬鹿か、、、」
反省する。
結局あの後、二階堂は去っていった。
はあ、、遅気のことも伝えないとだな。
・
次の日。
男子は立ち順を入れ替えてやっていた。息合いについて煮詰まっていようだったけど、解決に近づいてきているようだ。
辻峰は、昨日以上にピリピリとしている。二階堂をイラつかせてしまって、申し訳なさを感じた。
「それじゃ間に合わねえだろ!!」
二階堂の怒声が道場に響いて、私も、他の皆もそちらへ目を向けた。
「負けたら終わりなんだよ!!」
「やめろ二階堂!とにかく落ち着けって、、な?」
それを不破が宥めている。二階堂は少し黙り込んだ後に、矢取りへと向かった。
「不器用だな、、、」
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作者名:co2 | 作成日時:2023年6月12日 23時