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妹尾side。
夜多神社は、祭りに向けて、鳥居までの階段に提灯が下げられている。
現在は、力仕事などをする男子達にお昼の差し入れをしに行くところだ。
「みんなお疲れー」
「お昼の用意ができました」
「小休止しよ」
「妹尾さんたちはどう?」
「案内状の整理と、祭りの段取りの確認」
「午後からも神事の手伝いです」
「三人ともすごく似合ってるよねー」
如月の言葉に、ゆうなが嬉しそうに笑った。
「でしょーっ!めっちゃ写真撮っちゃった!」
着替えた時のゆうなはすごく嬉しそうで、何枚写真を撮ったか分からないくらい撮ってた。
「道着とそんな変わんないだろ、、、」
ベシッ
「白菊さん、本物の巫女さんみたいだよ?」
「ありがとうございます、、、」
「A先輩は?」
「先輩は、マサさんの所で色々やってるみたいだよ。昔から手伝うことがあって、できることが多いみたいだから」
それにしても、、、、。
「A先輩がいなくなってしまうのは寂しいね」
「だね、、もっと一緒に弓引きたかった、、、」
A先輩は、この夏休みが終わったら、完全に引退という形になる。だから、この時間ももうすぐ終わってしまう。
「あ、そうだ!」
如月が大きな声を出した。
・
水景side。
「_____夜多神社は、昔から童子が射手を務めていたってのもあるが、単純に気持ちの切り替えになると思ってな」
「結果はどうあれ、誘うつもりだったよ」
パソコンに何かを打ち込みながら話すマサさん。蓮さんはそれを見て、不思議そうに聞いた。
「焼肉なんかで釣らずに、素直にそう言えば良かったろー?」
「いや、変に意識させたくなかったんだ。大会に向き合って欲しかったしな」
「成程ね。あははっ、マサさん、コーチらしくなってきたじゃん」
「ははっ、そうかよ」
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作者名:co2 | 作成日時:2023年6月12日 23時