74 気、祓う鳴弦。 ページ28
水景side。
「はぁ、、、今週で夏休みも終わりかあー」
そう、夏休みの終盤。
私は本来引退の時期だが、夏休みの間だけこの弓道場で弓を引かせてもらうということになっている。まあ、森岡先生や部員たちはいつでも来ていいと言ってくれているけど、、、、。
「ちょっとだらけすぎじゃないのー？」
「確かに気が抜けすぎ」
「大会の後、まだ終わりじゃねえっ！的なこと言ってたのに、、、」
「気持ちは切り替えたつもりではある、、、」
「とはいえ、あれから部活ばっかで気分転換も出来なかったし、、、宿題も終わってないしね〜」
「漢文の書き下し、まだ一行もやってないし、、」
「そういうのは先にやっとくのがセオリーだろ。古典は講読のレポートが一番重いしな」
「あ、平安貴族の暮らしまとめるやつでしょ。あったなー、、、」
あれなー、、、凄い面倒なの。
「ん？」
「んー？」
「レ、ポート、、、？」
「おっと、これは、、、レポートの存在自体忘れてた人の顔、、、」
「湊、遼平。僕が手伝うよ」
二人の肩と頭にそれぞれ手を置く静弥。
「静弥！」
「ありがとう静弥！」
「一つ貸しね」
うわあ、、、、。
「お前ら、もしかして忘れてないよなあ？」
「ん？まだ他になんかあったー？」
「焼肉、食ったよな？」
マサさんの言葉に、静弥がそっと顔を背けた。
それに構わず、マサさんは「あまつ星祭り」と書かれたチラシを見せた。
反応はそれぞれ違うようだ。
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作者名：co2 | 作成日時：2023年6月12日 23時
