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no-side。
競射が始まり、一回目は同中。
これから二回目が始まる。
小野木 ○
山之内 ×
竹早 ○
如月 ○
結果は落の二人で決まる。
「(このシチュエーション、県大会の時と同じ、、、、頑張れ、湊)」
鳴宮は、今がずっと続けば良い。そう思った。
青い葉が、大きく風に舞う。
タンッ!!
ドンッ!
的に中る音と、外れて壁に刺さる音が同時に響き渡って、皆的の方を見た。
鳴宮 ×
どこか、誰か。
ある日の少年が、笑みをたたえていた。
・
水景side。
「おつかれ、皆よくやったな」
会場から出てきた五人に、マサさんは優しい笑みでそう言った。
「マサさ、」
海斗は、我慢していたのだろう涙を隠すために下を向いて、七緒が海斗にタオルをかけた。
「っ、、、なんか分かったよ、自分がまだまだだってことも」
「俺も、、、でもさ、まだまだってよくない?」
目元を赤くした遼平へ、湊が言った。
「えっ、なんで?」
「まだまだ上手くなれるってことだし」
「湊はポジティブだね」
「ああ、"伸びしろが大きい"って言い換えることもできるな」
湊は弓を持つ手に力を入れた。
「マサさん、これからももっと教えてよ。俺、俺たちも頑張るから!」
「頑張る!!」
「な!」
「、、ん」
皆マサさんを真っ直ぐに見た。
「、、、ああ」
「俺だって、指導者としてはまだまだだけどな」
「伸びしろが大きいってことじゃないですか?」
「ふっ、頼りにしてますよ、部長殿」
「負うた子に教えられ。という言葉もあるし」
「リベンジか、、、楽しみだ。絶対応援行くよ」
「!A先輩、は、、、、」
「うん。卒業だから」
私がそう言うと、皆悲しそうに目を見開いた。
「え、そんな顔しないでよ」
「だ、だってぇ、、、!」
遼平がまた泣きそうな顔で言うから焦ってしまう。
「元々は君たち一年生の部活だよ!湊に誘われてなきゃ、本当はここで弓引いてなかったんだからさ」
「だからさ、頑張ってね。女子も来年、団体戦出られるといいね」
「っ、ありがとうございます!」
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作者名:co2 | 作成日時:2023年6月12日 23時