69 ・美しい水景に。 ページ23
_____
no-side。
水は中に入った途端、泡で、外からは想像ができないような、磨硝子みたいな景色を見せる。
言ってみれば、水景の射はそんな感じだ。
足踏み、胴作り、弓構え、打起し、引き分けまではゆったりとして、輪郭の掴めないもの。
けど、
「_____」
会に入った途端に、その泡は弾けて、本来の水の輝きを放つ。
キャンッ!!
「!」
スパンッ!
「よーし!!」
皆、それに魅せられる。
美しさの反対にある恐ろしさに気が付かずに、水に沈んでしまうのだ。
「っ、、、!」
カァンッ!
ドンッ
「_____、、、」
水景の得点板に○、柳瀬に×が出る。
しん、と静まり返った会場に、一つ拍手が響き、それを皮切りに、多くの拍手が巻き起こった。
それは水景の勝利を表し、また、柳瀬の敗北を伝えるものだった。
・
水景side。
「、、、、、」
無言で出てきて、ふと視線を上げると、そこには皆の姿があった。
「A先輩ーーーっ!!!」
一番に飛びついてきたのはゆうな。私はそんなゆうなを受け止めて、後から来た乃愛と梨可。男子達へ笑いかけた。
「応援ありがとう。よく聞こえた」
その言葉を聞くと、皆嬉しそうな顔をする。
「っ、、、!A先輩、優勝おめでとう!」
「うん。けど、もう少し引いていたかったな」
そう思うほど、楽しかった。
「A。最後の射、よかったぞ」
「、、、うん。ありがとう、マサさん」
柳瀬に勝てる自信は無かった。彼女は、三年間会っていない内にとても上達していたから。
けど、勝負は時の運とも言う。だから、次、一緒に引いて勝てるかは分からない。
「マサさん。私、もっと強くなるよ」
「!、、、ああ。期待してる」
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作者名:co2 | 作成日時:2023年6月12日 23時