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水景side。
「ふー、、、、」
もう少しで決勝戦。
気を引き締めて行こう。
先程の二階堂の顔を思い出すと、なんだか、とても懐かしくなる。
『Aさん、、、今日も、おじさんのとこで一緒に弓引いてくれない、、、？』
まさか、二階堂に勇気づけられる日が来るとは、あの頃は思いもしなかった。
＜これより、女子個人戦、決勝戦を開始します＞
アナウンスと共に入場する。椅子に座って、開始の声を待った。
「起立！」
ｻﾞｯ
「始め！！」
第一射場の五番目には柳瀬の姿。私も先程と変わらず、第二射場の五番目だ。
よし、私も。
最後くらい、楽しいと思える射をしよう。
・
柳瀬side。
ムカつくやつ。
中等部一年生の時に、部活見学で出会った。いつも馬鹿にしてくる。身長とかテストの点とか、、、ああもう腹立つ！
けど、あの子の射はいつも研ぎ澄まされてる。大会には出ないって言って、いつも一歩引いた所にいたけど、私たちの学年の部活内では「詐称者」と呼ばれていたほど。
理由としては、いつもの笑顔とはまるで違った、鋭く、見る人も貫くような射だった。
ｶﾝｯ！
ﾀﾝｯ
よし。一巡目は中てられた。
ｷｬﾝｯ
ﾀﾝｯ！
「＿＿＿＿＿」
Aも中てる。
ああ、本当にムカつく。
私たち、ずっとアンタの射を見て、負けてたまるかって弓を引いてきたの。
「(私たち、負けず嫌いでここまで来た！)」
貴方が弓から離れた時も、忘れずに。
だから勝つわ。
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作者名：co2 | 作成日時：2023年6月12日 23時
