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水景side。
女子三人が桐先の女子部屋へ行ったので、部屋が静かになる。
予め持ってきていた参考書とノート。筆記具を取り出して、机に広げた。
毎日この時間に勉強をしていて、それを欠かすことはあまりない。こういう日の場合は、平常心の為の勉強にもなる。
それから10ページ程終わらせて、水を買いに行こうと部屋を出た。
「ん?」
「あ」
自販機で会うこと多いな。
「二階堂。合宿ぶりだね」
「、、、、」
相変わらず手厳しいな。
苦笑を浮かべながら、自販機に小銭を入れる。水のボタンを押すと、ガタンと音を立てた。
「辻峰も調子良いね。トーナメント見たけど、桐先もいたから、死の組ってやつ?」
「、、、そうだな」
「明日の二回戦、どうせ辻峰と当たるでしょ。楽しみにしてるんだよ。地方大会はあんなんだったし」
「、、、、アンタは」
「え?」
「アンタは個人戦、出るんだろ」
「ああ、出るよ。全国大会は初めてだから、結構緊張してるけど」
「、、、アンタの正面打起し、ちゃんと見たことない。もし外したりなんかしたら認めてやんねえ」
「うわ、酷い」
「けど、そうだな、、、私さ」
「風舞に来てよかったと思ってる。湊や他の皆。桐先の人達とも関わって、繋がった」
「人との繋がり、彼らとの繋がり、、、そして、君との繋がりを思って、明日弓を引く、から」
「二階堂。多分わたし、もう大丈夫だよ。だから見てて、私の射」
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作者名:co2 | 作成日時:2023年6月12日 23時