笑う顔に矢立たず。【ツルネ】

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水景side。


「という訳で！第1回弓道部スポーツ大会MVPは、、、、山之内遼平くんでーす！」



如月の言葉に、照れくさそうにしながら笑う山之内。意外なMVPだ。




「剣道の部優勝という一大快挙を成し遂げましたが、山之内選手の感想は？」



「そっすねー！竹刀を握るのは久しぶりだったので、緊張しました！」



顎に手を当てて語る姿が可愛らしい。




「遼平が剣道の段持ちとか聞いてないんだけど」



「あ、でも小学校から中2までしかやってないし、、、、」


「ふふ、十分じゃない？」


私がそう言うと、また「へへ」と首裏を触る山之内。あ、痣。




「想定外だった、、、」



「相手の3年、私のクラスメイトなんだけど、去年も一昨年も負け無しだったんだー。凄いね山之内」



「へえ、、！」



「剣道部の人に、何でやらないんだって誘われてたよね！山之内くん」



「は！？遼平、剣道部に行くのか！？」


「なわけないだろ！」



「弓道に専念するということでしょうか？」


「そのつもりだって！」




お好み焼きを食べながら話を聞く。やっぱり一年生は仲が良い。




「剣道において、類まれなる素質を持ちながら、それは何故でしょう？」




「だって、痛いだろ？」



「え、それだけ？」



「痛いのは嫌だろ？打たれる方も、打つ方も！」



なるほど、、、かっこいい。優しい山之内ならではの理由に納得した。




「遼平の言いたいこと、なんか分かる。弓道のいい所は、相手を倒さなきゃいけないスポーツと違って、自分が大事ってことだよな」


「相手がいることにはいるけど、、、ええっと、、、、」




「相手をやり込めるより、自分がより優れた成績を収めればいい」


「そう！それ！」




「ふふっ(湊の翻訳機、、)」




「自分をしっかり保つ心意気でやる」

「究極の自分探し、みたいな？」




「ナルシストって言うんじゃない？」

「弓引きは自己肯定タイプ多いよね！」

「己をきちんと持ってない人は、何事もブレるものですからね。勿論狙いも」






「自分を知って自分を磨く。道だからね」

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