25 ・ ページ28
水景side。
「はいこれ」
「え、アイス！いいの？」
「いーよー。先輩の奢りね」
私の本来の目的であるコンビニに着いて、私は自分の夕飯となるものと飲み物を買うついでに、アイスを買って2人へ手渡した。
「ありがとう、、、」
「A先輩ってやっぱやさしーね」
「褒めても何も出ないよ」
ペットボトルの蓋を開く。
しばらくコンビニの前で話していると、如月のスマホに電話がかかってきた。受け答え的に、相手は小野木だろう。
「ん、分かった。りょーかい」
「、、、海斗だろ？なんて？」
「果たし合い」
「え？」
「やっぱ、俺も男なんだよね。売られた喧嘩は買うしかないっしょ」
「成程ね、、、」
物腰柔らかで誰とでも分け隔てなく接せる如月も、不器用でカッコつけの小野木も、結局は負けず嫌い。似たもの同士ってことか。
「ははっ、仲良しかよ」
・
2人は弓道場にて射詰競射。
中々勝敗のつかない射詰。
「うっせえ！！俺は、お前に」
いつもより雑に、早く引き分けられ、会に入る小野木。
「勝つんだ！！」
ｶﾝｯ！
ﾄｽｯ！
その矢は的を外れて安土へと刺さる。
「＿＿＿＿＿」
小野木とは対照的に、ゆっくり、丁寧に引き分けて会に入る如月。
「俺だって、勝ちたいんだ」
「＿＿＿かっちゃんに、勝ちたいんだよ！！」
その時、ぱんっと弦が切れて、その弾みで空中に矢が放られた。
ｶﾗﾝ
床に矢が落ち、そんな音を立てる。
「「、、、、、、」」
「「っ、、ぷふｯ」」
「おまえっ、、ふっ、なに、、、っふ、はっ、、まじで、なんだよそれっ、、！」
「ふっ、はははっ、ここでまさか失とはねっ、、！、、、、」
「、、、俺の負けだね」
そう言う如月の顔は、悔しそうで、楽しそうだった。
「勝手に決めんな。俺も外してる」
「じゃあ、弦張り直して続きやる？」
「ああ、でも今日じゃねえ。もう的もよく見えねえしな。勝負はこれから、一生かかってつけりゃいい」
そう言うと、小野木は如月へ拳を突き出し、如月も晴れやかな表情で自分の拳をぶつけた。
そうして、いつもの調子でじゃれあい始める2人を、外で眺めてる私たち。
「ほんと恥ずかしいやつら、、、」
「めちゃくちゃだったけどな、、、でも、、」
「よかった、、マジでよかったぁ、、、」
「ね、どうにかなったでしょ」
「主張は大事。動き方を知る。押し引きと一緒だな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
co2(プロフ) - 旭さん» ありがとうございます！！拙い文ですが、引き続き見てやってください！！ (6月12日 18時) (
レス) @page47 id: 501b79ea4d (このIDを非表示/違反報告)
旭(プロフ) - ツルネの作品、少ないから嬉しいです！続きがすごく気になります。 (6月12日 17時) (レス) @page47 id: c736327d44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：co2 | 作成日時：2023年6月10日 14時
