71話 ページ27
A視点
とある病院の一角。
決死の覚悟で扉を開き、病室に足を踏み入れると、そこには笑顔で看護師と話している彼がいた。
ゆっくり足を進めるとその足音に気づいた彼と目が合う。
その瞬間、僕は殴られる覚悟で勢いよく頭を下げた。
「すみませんでした！」
いきなりの事に驚いていた様子だったが、はっと我を取り戻すと「Aさ〜ん！」と笑顔を見せる。
「いやいや！こっちこそ調子乗ってたというかなんというか……。ほんとすいませんっ！！」
「いえ！僕の判断ミスなんです…！大波加君は何も悪くないので頭を上げて下さい！」
「いや俺が！」
「いえ、僕が…！」
つい熱くなってしまい、「すみません…。」と一度冷静になる。
「僕には、謝罪するくらいしか出来ないんです…。」
「こんな物しか用意できなくてすみません。」とお見舞い用のメロンを手渡すと「ちょっと思ってたッスけど…ひょっとして、金持ちッスか？」と貴重品でも触るようにメロンを受け取った。
「そうですね……割と。」
「だから、遠慮なく慰謝料も請求してください…！その他の事だって、僕に出来る事ならなんでも…なんでもしますから…！」
大波加君の痛みを代わりに受けることも、僕の命をあげることも僕には出来ないのに、その優しさに甘えて自分のことを優先した結果がこれだ。
僕に出来る事ならなんでも……。
「なんでもって……そういうのあんま言わないほうがいいッスよ。本当にとんでもないコト要求されるかもしんないッスから…。」
それでも償いたいから、なんでも……、でも、
「……っ死ぬこと以外なら、なんでも…。」
ぐっと手を握る力が強くなる。
「ごめんなさい、それだけは譲れないんです…。譲れなくなったんです……。」
人に死ぬような思いをさせておいて本当に情けない話だ。
返事が無くなった彼の目を恐る恐る覗き込むと、意外にも、驚いた表情をしていた。
「なんか、変わったッスね、Aさん。」
「前はもっと近寄りがたいイメージでした。一人で突っ込んで一人で解決して、別に死んでも構わないみたいな顔して。」
「美形で子持ちで領域展開もできるし、高嶺の花っつーか、違う世界の人みたいな？」
「だから一緒の任務ってなった時、めちゃくちゃビビってたッス！」
えへへ、と大波加君は頬をかく。
「死ぬ以外ならなんでもするって言ったッスよね？じゃあ、
__敬語無しで！」
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nanox(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます。その心臓、貰い受ける！ (2022年1月1日 2時) (
レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - は…んっ…んんっ…ん゛ん゛っっ…( ´ཫ`)ﾔﾒﾃ…ﾄｳﾎｳﾆﾄﾄﾞﾒｦｻｽﾖｳﾅﾅｲﾖｳｦｶｶﾅｲﾃﾞ…ｼﾝﾃﾞｼﾏｲﾏｽr(○ﾟ∀ﾟ)ｶﾞﾊｯ∵∴ (2022年1月1日 0時) (レス) @page26 id: 6b52cf8228 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - ねんねこさん» コメントありがとうございます。棘氏のかわいさ表現できてたら嬉しいです！ (2021年11月14日 6時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
ねんねこ - 棘きゅん・・・♡カワユス(*´Д｀) (2021年11月14日 5時) (レス) @page23 id: 90373cb5b9 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - いちこさん» コメントありがとうございます。棘氏の可愛さが伝わって嬉しいです！腐腐腐… (2021年10月30日 19時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nanox | 作成日時：2021年4月16日 23時
