47話 ページ3
A視点
「読み聞かせはこれで終わります。」
「大丈夫ですか?」
「っ、すいません……」
ハァ、ハァ、と息を乱しながら座り込んでいる七海君に手を差し伸べる。
__流石に全力疾走からのソーラン節はきつかったか……。
少し休憩にしましょうか、と授業を中断させ、机の位置を正す。
二人が椅子に座り、一息つくと、誰とはなしに反省会がはじまった。
「灰原君はもう少し僕の行動を警戒するべきです」
「はい!」
「七海君は僕を警戒しすぎです。もう少し視野を広げましょう」
「はい」
今年の一年生は二人共素直でとても飲み込みが早い。
きっと直ぐに僕の呪言にも対応できるようになるだろう。
__一年後が楽しみだ。
それじゃあ、休んでてくださいね、と言い教室から出ると、廊下の反対側に見たことのある人影が並んでいた。
「あ、せんせー」
「五条君に夏油君。これから任務ですか?」
「そう、星漿体のやつ」
「星漿体の……大変そうな任務なので気をつけて下さいね。いざとなったら何よりも命を優先するように。あと、」
言いたいことがまとまらず、いくつか小言を言っていると、二人から温かい視線を感じた。
「な、なんですか……?」
「いや、懐かしいなと」
「せんせーこそ、心配しすぎて任務中に転ばないでよ」
そう言うと、よしよし、とバカにするように頭を撫でられる。
二人が最強なのは分かっている。
だからこんなに重要で難しい任務を与えられるのも納得だ。
けれど、二人がまだ学生であることにはかわりなくて。
元々僕の生徒だったから贔屓目で見てしまっている部分もあるだろうけど…。
__やはり心配だ……。
「すいません、でしゃばった真似を」
きっとこれから二人がどれだけ強くなろうと、僕は心配するだろう。
「信頼してない訳じゃないんです…」
「はい、分かってますよ」
「せんせーはそれでいいの。だから謝んないでよ」
じゃ、行ってくるから、と五条君はひらひらと手を振る。
「はい、気をつけて!」
遠ざかっていく背中が視界から消えるまで見守った後、僕もその場をあとにした。
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nanox(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます。その心臓、貰い受ける! (2022年1月1日 2時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - は…んっ…んんっ…ん゛ん゛っっ…( ´ཫ`)ヤメテ…トウホウニトドメヲサスヨウナナイヨウヲカカナイデ…シンデシマイマスr(○゚∀゚)ガハッ∵∴ (2022年1月1日 0時) (レス) @page26 id: 6b52cf8228 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - ねんねこさん» コメントありがとうございます。棘氏のかわいさ表現できてたら嬉しいです! (2021年11月14日 6時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
ねんねこ - 棘きゅん・・・♡カワユス(*´Д`) (2021年11月14日 5時) (レス) @page23 id: 90373cb5b9 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - いちこさん» コメントありがとうございます。棘氏の可愛さが伝わって嬉しいです!腐腐腐… (2021年10月30日 19時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanox | 作成日時:2021年4月16日 23時