59話 ページ15
A視点
「棘！」
さやちゃんのご家族にお礼を言って、応援席に戻ろうとしている棘に声をかける。
「1位おめでとう」
「しゃけしゃけ〜」
余裕だよ、と手をふる棘の汗をタオルで拭いながら、僕がいなかった時の運動会の様子を聞いた。
__もう親子競技は終わってるか……。
「遅くなってごめん…」
「おかか」
大丈夫、と首はふっているものの、棘はどこか浮かない顔だ。
「つな、たかな？」
「仕事？あぁ…どうりょ、えっと…友達に任せてきた」
「しゃけ？」
「うん、彼は強い人だからきっと大丈夫」
しゃけ…と頷く棘はどこか納得がいかないようだ。
「ご飯、食べようか」
__ご飯を食べれば気持ちも晴れるだろう。
僕はそんな言葉で自分を誤魔化して、棘のことを見ないふりをした。
ご飯を食べて、午後の部を観戦した後、棘を迎えに行くと棘はひどく疲れているようだった。
「棘、大丈夫？」
「しゃけ…」
繋いでいた手がするりと抜け、棘が眠たそうに目をこする。
久しぶりにこんなに動いたからかな。
__これからはもっと外で遊べるようにしてあげよう…。
「棘、おいで」
「しゃ…け……」
棘は僕の背中に乗ると、すぐに眠ってしまった。
「あれ、電話？」
眠っている棘を車に乗せ、一息ついていると静かな空間に着信音が鳴り響く。
「はい、狗巻で……えっ、」
思わず落としそうになった携帯電話をぎゅっと握り直した。
真っ赤な夕焼けの中を自由に飛び回るカラスの音がやけに大きく聞こえる。
『聞いてるのか！！』と電話越しでもわかるほど焦った夜蛾先生の声が耳を貫く。
「っは……」
返事をしなければと思えば思うほど声は出ず、口からはただ息が漏れ出るだけだった。
『大波加が、意識不明の重体だ！！』
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nanox(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます。その心臓、貰い受ける！ (2022年1月1日 2時) (
レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - は…んっ…んんっ…ん゛ん゛っっ…( ´ཫ`)ﾔﾒﾃ…ﾄｳﾎｳﾆﾄﾄﾞﾒｦｻｽﾖｳﾅﾅｲﾖｳｦｶｶﾅｲﾃﾞ…ｼﾝﾃﾞｼﾏｲﾏｽr(○ﾟ∀ﾟ)ｶﾞﾊｯ∵∴ (2022年1月1日 0時) (レス) @page26 id: 6b52cf8228 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - ねんねこさん» コメントありがとうございます。棘氏のかわいさ表現できてたら嬉しいです！ (2021年11月14日 6時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
ねんねこ - 棘きゅん・・・♡カワユス(*´Д｀) (2021年11月14日 5時) (レス) @page23 id: 90373cb5b9 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - いちこさん» コメントありがとうございます。棘氏の可愛さが伝わって嬉しいです！腐腐腐… (2021年10月30日 19時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nanox | 作成日時：2021年4月16日 23時
