41話 ページ45
A視点
__ドンッ
下の階からか、なにか大きなものが倒れるような音がした。
__棘のいる部屋の方……！
タンスでも倒れたのだろうか？兄さんは何をやっているのだ。
__くっそ、この位の乱入は許してくれよ!
棘は怪我をしてないだろうか、と焦る気持ちを抑えながら部屋へ向かった。
「…、は」
酷い光景だった。
兄さんは胸を抑えたまま倒れ、棘は口から血を吹き出し、苦しそうに悶ている。
畳は赤く染まり、生臭い鉄の匂いが鼻をつんざく。
嫌でも蘇る、あの時の記憶。
倒れたのタンスでもなんでもなく、兄さんだったのだ。
僕が着いた時にはもう兄さんは息をしていなかった。
「棘！」
とげ、…とげっ…！と何度も何度も声をかける。
「ｹﾞﾎｯ、」
__まだ息がある……！
速く病院に、と思ったが、呪術を知っている所に連れて行ったほうがいいのか？と迷った僕は名前だけ聞いたことがあった呪術高専に走ることにした。
「くッ、そ！」
もう何年も運動をしていなかった僕は直ぐに息が上がり、足がもつれ、まともに走れない。
腕の中にいる棘はまだ苦しそうに咳込んでいる。
「は、しれっ、…走れよ！！」
__もう誰も死なせたくないんだろ！！
その時、
突然頭に浮かんだ謎の言葉の羅列。
__「領域展開、限定解除『
昔、屋敷の倉庫で見つけた古い書物に載っていた言葉だったか。
何故今この言葉が浮かんだのか分からない。
けれど、今なら何か出来る気がした。
「『走れ』！」
そう言った瞬間、
のどが引き裂かれ、肺が破れ、筋肉や骨が軋む様な痛みがはしったと思うと、
自分が走っているとは信じられないくらいのスピードで走っていた。
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nanox(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます。申し訳ありません！編集の時に間違えて全体公開してしまってまして……もう外したので大丈夫だと思います！わざわざありがとうございます！嬉しいです。 (2021年4月17日 3時) (
レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています。棘君と主人公君とのほのぼのとした日常がとても癒されます…宜しければ続編の保護パスワードを教えて下さい。このご時世の中ですがお体に気を付け下さい。いつも素敵な小説をありがとう御座います。 (2021年4月16日 23時) (レス) id: d0bea6ab41 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - EVENINGさん» コメントありがとうございます。実はマフラーの色は作者が優柔不断すぎて未だに決められていないんです…。青や黒など落ち着いた色を普段使いしてそうなイメージですね。季節や気分でも変えると思います。曖昧ですいません… (2021年3月26日 22時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - 下のコメント間違えましたすみません。マフラーの色何色がいいですか？これからも頑張ってください。 (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - あの、マフラーの色は何色ですか？ (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nanox | 作成日時：2021年2月28日 23時
