【呪術廻戦】呪言師せんせーの憂鬱【男主】

40話 ページ44

名前が被ってしまわないように棘母に名前はつけてないです。
〜〜〜〜〜

女視点



あーもう最悪！


せっかく子供までつくって結婚したのにもう別れようですって？


一番金持ってる奴だったのに！




私が所属してる呪詛師グループは、所謂術師の家系の落ちこぼれが集まるところ。


そんな中で勧誘に乗ったこの馬鹿が、なんとあの呪言師狗巻家の当主様だったのだ。



組織最強で顔良し、性格良し、収入良しのこいつを私が見逃すはずもなく。



まぁ、恋愛経験ゼロだったようで簡単に堕ちてくれたわ。



なのにこんな屈辱……！



いや…まだチャンスはあるわ。




「あなた！棘！会いたかったわ！」

「今日は家族水入らず、楽しく過ごそうな！」


この馬鹿は喜んでるみたいだけど棘は一向にこっちを向いてくれない。

まあいいわ、今日一日の辛抱よ。





「ちょっと俺、トイレ！」

「いってらっしゃ〜い」


よし、あいつはトイレに言ったわね。


この時を待ってたのよ！



「とーげ！」

「とげ？」

「そうそう、ちょっとこれ見て」


そう言い、そこらへんにあった紙に「し」「ね」と一文字ずつ書く。



「これが『し』そしてこれが『ね』」
「一個ずつ言ってみて」

「『ち』？『ね』？」

「んーおしい！こっちだけ言ってみて『し』」

「『ち』」

「『し』！」

「『し』？」


そう棘すごいわ！そう言って頭を撫でるが棘は困惑しているようだ。


「これをつなげて言うと『しね』って言うの」

「しn__？」


__おっと危ない！


すんでのところで棘の口を塞ぐ。


「それをパパに言ってあげて」

「ぱぱ？」

「そう、パパきっと喜ぶわ！」

「んー！」


よし、これで準備はオッケーよ。


「ちょっと棘待っててね」

そう言って部屋を出る。


フフッ、遺産楽しみにしてるわ。



〜〜〜〜〜

兄視点



トイレから帰る途中、あいつとすれ違った。



あいつはトイレに行くというのに相応しくないような笑顔を浮かべていた。


__そんなにトイレに行きたかったのか…？



まだ他にもトイレがある事教えてあげればよかったな。





あ、まずい！



あいつもトイレに行ったって事は棘が一人だ。



Aに怒られる……！





急いで廊下を走り、棘の居る部屋の襖を開ける。




この時の俺は焦りで他の事は考えていなかった。




いや、油断もしていた。





だって、





「ぱぱ！『しーね』！」





棘に笑顔でこんな事を言われるなんて、誰が予想できた？



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