24話 ページ28
A視点
「で?」
ゆっくりと三人の方へ歩みを進める。
「誰がやったんですか?これ」
腕を組み、三人をギロリと睨むと、三人はゆっくり目を逸らす。
窓は割れ、机の脚はあらぬ方向へと曲がり、椅子は散乱し、教卓は外へと追い出されている。
教室に入るや否や、オメーの席ねぇから状態だ。
「せんせー、犯人捜しは良くないと思います!」
そんな中、悪びれる様子もなく平然と五条は手を挙げる。
「誰がやったんですか?」
僕はハァ、とため息をつき頭を抱えながら、もう一度問う。
「硝子」
「悟」
「夏油」
三人が三人違う人の名前を呼び、指をさしている。
__三人か……。
「分かりました…。取り敢えず片付けは後にして、授業しますよ」
散らばった椅子を拾いながらそう言うと、はーい、と軽い返事が返ってきた。
「三人は踊りだします。」
「大量の蚊が、網戸を越えてやってくるのです。」
「9匹の犬が入って来て、三人の顔をめがけておならをしました。」
__うん、成長してるな。
いつもの様に怪我にならない様な地味な嫌がらせを読み聞かせる。
始めはテンパって虫まみれになることも多かったが、最近では一つずつ躱せる様になってきた。
「よし、今日はこれで終わります。」
いつもの様に授業を終わろうとしたその時、
「カハッ」
突然目の前がぐらついて、教卓に手をつくと、喉から大量の血がゴポッと溢れ出した。
「先生!」
三人は急いで僕の方へ駆け寄ってくる。
「取り敢えず保健室!」
家入さんがそう言うと、わかった、と夏油君が保健室まで運んでくれた。
__おかしい……
僕の術式は低リスク低リターンなのだ。
低級に「止まれ」と言っても、1〜10秒位だけしか止まらない。
その代わり、特級でも同じだ。
それに強い呪言も使えない。
そのおかげか、今まで反動は声が枯れるくらいのものだった。
五条君や夏油君に使った時でもそうだ。
こんなに強い反動がくるのは領域展開をした時くらいだ。
色々な事を考えたが結局纏まらず、そのまま意識を手放した。
「あ"っ…あー、ゲホッゲホッ」
目が覚めて、声を出そうとするも咳に掻き消される。
どうしようか、と悩んでいたところ、家入さんが僕が起きたのを見て、二人も呼んで説明してくれた。
「先生呪われてるっぽいんだよね」
__いつの間に…
早く行かなければと思い立ち上がろうとすると家入さんに止められる。
「俺らが行くから、雑魚せんせーは寝てな」
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nanox(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます。申し訳ありません!編集の時に間違えて全体公開してしまってまして……もう外したので大丈夫だと思います!わざわざありがとうございます!嬉しいです。 (2021年4月17日 3時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています。棘君と主人公君とのほのぼのとした日常がとても癒されます…宜しければ続編の保護パスワードを教えて下さい。このご時世の中ですがお体に気を付け下さい。いつも素敵な小説をありがとう御座います。 (2021年4月16日 23時) (レス) id: d0bea6ab41 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - EVENINGさん» コメントありがとうございます。実はマフラーの色は作者が優柔不断すぎて未だに決められていないんです…。青や黒など落ち着いた色を普段使いしてそうなイメージですね。季節や気分でも変えると思います。曖昧ですいません… (2021年3月26日 22時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - 下のコメント間違えましたすみません。マフラーの色何色がいいですか?これからも頑張ってください。 (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - あの、マフラーの色は何色ですか? (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanox | 作成日時:2021年2月28日 23時