9話 ページ12
五条視点
1日目の授業にムカついた。それだけ。
俺の六眼に写った先生はあまりにもポテンシャルが低く、先生の言ってた通り雑魚術師なんだと、そう思っていた。
けど先生はその持ち前のずる賢さで俺らの意表を突き、見事ゴキブリ漬けにしてみせたのだ。
__こいつは面白そうだ……!
子供のような屁理屈で「俺と戦え」なんて安っぽい事を言ったが、歯切れはクソ悪くも了承した。
何時も不機嫌そうな仏頂面に反して案外心優しいんだろう。
机や荷物を運び、教室が戦闘フィールドに変わる。
「じゃ、せんせーどっからでも来なよ」
俺が本気を出してしまうと先生なんて2秒ももたないだろう。
先生は静かにマフラーをクイッと上げると、
「……、、、……」
俺に聞こえないくらい小声で何かを呟く。
その瞬間、
目にも留まらぬスピードで先生は俺の前へ移動し、気づいたら拳が目の前にあった。
「ッはぁ、矢張り一撃で仕留めるのは無理そうですねっ!」
俺はその拳を軽く受け流す。
「やっぱせんせーおもろいッなぁ!」
先生は次々に拳や蹴りを繰り出すが、受け流すか無限で受け止めるため、ダメージは一切入らない。
「俺からもいっていい?」
承認の言葉を聞く前に、術式順転「蒼」、と呟き攻撃を放つ。
殺す気ですかっ…!と、眉間にシワを寄せるも、スルスルと躱していく。
先生はその間も、止まれ、動くな、など言っているが、俺もしっかり守っているので呪言が届く事はない。
先生の声が届く範囲に大量のゴキブリが仕掛けられていないのも確認済みだ。
そのまま戦いを続けるが、埒が明かない。
__もう終わらせるか?
そう思った次の瞬間、
俺の方に近づいていた先生がすべてのブーストを解き、俺の方に倒れてくる。
やりすぎたか…?そう思ったのだが、先生はふわりと笑った。
そして軽く背伸びをすると、先生は自分の唇を俺の唇へ……
「ッはぁ!?ちょッ!」
一瞬の動揺。
その時、
「止まれ」
先生は先程とは比べ物にならない程悪い顔でニヤリと笑った。
「何時も本番だと思って油断しないことです。」
後、僕にそんな趣味はないので安心してください。
そう言うと先生は血を吐いてカッコつける隙もなくぶっ倒れた。
硝子は「ありゃりゃボロボロじゃん」と先生の様子を見に行き、
傑は、「お疲れ様ッフッ」とニヤニヤしながら俺の肩を叩く。
__あのックソ教師が!!!
俺はまた呪言師せんせーに一本取られたのだった。
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nanox(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます。申し訳ありません!編集の時に間違えて全体公開してしまってまして……もう外したので大丈夫だと思います!わざわざありがとうございます!嬉しいです。 (2021年4月17日 3時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています。棘君と主人公君とのほのぼのとした日常がとても癒されます…宜しければ続編の保護パスワードを教えて下さい。このご時世の中ですがお体に気を付け下さい。いつも素敵な小説をありがとう御座います。 (2021年4月16日 23時) (レス) id: d0bea6ab41 (このIDを非表示/違反報告)
nanox(プロフ) - EVENINGさん» コメントありがとうございます。実はマフラーの色は作者が優柔不断すぎて未だに決められていないんです…。青や黒など落ち着いた色を普段使いしてそうなイメージですね。季節や気分でも変えると思います。曖昧ですいません… (2021年3月26日 22時) (レス) id: 12e3c64050 (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - 下のコメント間違えましたすみません。マフラーの色何色がいいですか?これからも頑張ってください。 (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
EVENING - あの、マフラーの色は何色ですか? (2021年3月26日 22時) (レス) id: 59440097ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nanox | 作成日時:2021年2月28日 23時