たからもの。〔 桃 〕

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Aちゃんが東京に帰ってしまうのに



俺は何もできんでいるまま



文化祭で告白しようと思ってたのも



思ってただけで行動には出来んかった





流「望〜、メシ」


『おん』





いつものように流星と昼休み


E組の前を通ればココア飲みながら


弁当食べてるAちゃんがおった




やからココアと弁当合わんやろ(笑)




流「飲み物買わんの？」


「あー、買う買う」




そう言って買ったのはココア



「激重い奴やな、俺(笑)」





屋上はもう寒いから最近は教室で食べる





流「そういやクリスマス誘わんの？」


「やってAちゃんにも予定あるやん」


流「毎年おれんちで飯食ってるけど？」






これは誘うチャンスとしか言いようがない






「誘う...」


流「おん(笑)そうしてや、あいつとのクリスマス飽きた」




なんちゅうこと言うねん、




「俺言う、ちゃんと言う。」


流「おん」


「東京行かんでっていう」


流「おん」


「なぁ、それ以外なんかないん？」





おん、しか言ってくれんやん





流「やって決めるのAやし、まぁどうなるか分からんけどやるだけやったらええんちゃう？おばさんもおじさんも怖い人ちゃうしな」






流星ってこんなかっこいいのになんで



彼女おらんのやろ





「なぁ、なんで彼女おらんの？」


流「Aがおったから。俺がどっか行ったらあいつ1人になるやん、クリスマスも誕生日も。まぁその役目も終わりそうやけどな(笑)」


「流星って、」


流「言ったら友達やめんで、」





やっぱりやん、そうやん。





「ほんま流星ってかっこええな」


流「知っとる」






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